「対応」と「応対」の違い|意味や使い方・類語を徹底解説!

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「対応」と「応対」の違い|意味や使い方・類語を徹底解説!

突然ですが、「対応」と「応対」の違いをご存知ですか?

「対応」も「応対」も日常生活や、ビジネスシーンのなかで使う機会が多く、馴染み深い言葉ですね。

「対」と「応」を入れ替えただけの、どちらも同じ漢字を使っていることから使い分けが曖昧になっている方もいますが、実ははっきりとした違いがあります。

ここでは「対応」と「応対」の意味や使い方についてご説明します。例文もあげてお伝えするので参考にしてくださいね。

「対応」の意味・使い方

「対応」の読み方は「たいおう」です。これは簡単ですね。

「対応」には下記の4つの意味があります。

  • 1:同種の二つのものが向かい合い、対 (つい) になっていること。
  • 2:ある物事が他の範疇に属する物事と対立・相当する関係にあること。
  • 3:互いにつりあいがとれていること。
  • 4:周囲の状況などに合わせて事をすること。

上記の意味のなかで、「応対」との使い方の違いが紛らわしいのは4ですね。簡単に言えば、「対応」とは「状況に応じて処置・行動すること」です。

なお、「対応」は、人からの依頼や要求に善処することのみならず、自身が抱える問題点や課題・状況への処置をするときにも使います。

たとえば前者では「相手の出方を見て対応する」と使いますが、後者は「クレームに対応する」「当社が抱える課題への対応策を検討する」など、発生した事象に対して物事を行うときにも使われます。

【例文】

  • 彼はお客様のクレーム対応におけるスペシャリストだ。
  • 地震災害の被害への対応が急務である。
  • 資料整理のために休日出勤したのに、電話対応に追われて一日が過ぎてしまった。
  • 来場者数が想定より多く、その対応に追われる。

【類語】

  • 対処
  • 対策
  • 収拾
  • 措置

「応対」の意味・使い方

「応対」の読み方は「おうたい」です。

「応対」の意味を辞書で調べると「相手に応じて受け答えをすること」とあります。

「対応」の意味と似ていますね。

ただし、「応対」を使う場面は、相手が「人」に限定されます。また、相手の呼びかけに返事をしたり、相槌を打ったりと態度で示すことを指します。

ビジネスシーンでお客様から電話がかかってきたときや、来客時の受付での応対で使われる言葉ですね。

【例文】

  • 彼の来客への応対は素晴らしい。
  • 電話応対の研修を受ける。
  • この病院は受付の応対が良くない。
  • 結婚式場の受付の応対はマナーが行き届いていて素晴らしい。

【類語】

  • 接客
  • 受け答えする
  • お構い
  • 応接

「対応」と「応対」の違い

「対応」と「応対」の意味や使い方をお伝えしました。つづいては、両者の違いについてご説明します。

結論からお伝えすると、「対応」と「応対」の違いは、相手が人に限定されるかどうかという点です。

「対応」は相手が人以外のときにも使われ、物事に対処していくことを表すのに対して、「応対」は人に対する受け答えをするときのみ使われる言葉です。

そのため「対応」は「事故への対応」「問題点への対応」という使い方をしますが、「応対」は「事故への応対」「問題点への応対」といいませんよね。

でも、人への受け答えをするときに「電話対応」「電話応対」といいますが、どのような違いがあるのでしょうか。

「電話対応」と「電話応対」の違い

「電話応対」とは、電話をかけてきた相手に応じ、受け答えをすることを指す言葉です。相手の話を聞いたり、相槌を打ったりすることですね。

一方で「電話対応」は「電話がかかってきた」という状況に応じたり、相手の用件に対処したりすることを表します。

たとえば、お客様からクレーム電話がかかってきたとします。電話を受けた受付の人は、お客様からクレームの詳細を聞いて担当窓口に繋いだとしましょう。これが「電話応対」です。

引き継がれた担当者がお客様のクレームに応じて適切な判断をし、処理するのは「対応」となります。

なお、「応対が良い」とは、言葉使いや受け答えの仕方・態度に好感の持てることを言うのに対し、「対応が良い」とは、問題に対する対処法や処理の仕方が適切である、という意味です。覚えておいてくださいね。

「応対」「応接」「接待」「接遇」「接客」の違いは?

「対応」と「応対」以外にも、似た意味の言葉に「応接」「接待」「接遇」「接客」があります。どれも人に応じることを意味した言葉ですが、それぞれの違いを理解しておきましょう。

まず「応対」の意味は「人に応じて受け答えをすること」でしたね。

「応対」には「もてなす」という意味は含みませんが、「応接」「接待」「接遇」「接客」の4つの言葉は「相手をもてなす」という意味合いを含みます。

なお、「応接」「接待」「接遇」「接客」は場面によって使い分けられます。下記をご覧ください。

  • 応接:意味は、訪れてきた人を招き入れて、その相手をすること。応接室という言葉があるように、訪ねてきた人に対して使う言葉です。
  • 接客:意味は客をもてなすこと。お客様に必要なサービスを提供することを指す言葉ですね。お客様が注文した飲み物をテーブルまで運んだりすることです。
  • 接遇:意味は「接客」と同じく「もてなすこと」ですが、「接客」よりも「お客様は特別です」とより丁寧にもてなすことを表す言葉です。例えば、ドリンクをテーブルまで迅速に運ぶことが「接客」であるのに対し、それに加えてお客様に「ごゆっくりお楽しみください」と一声かけてほほ笑んだりと、より丁寧にもてなすことが接遇です。
  • 接待:意味は「客をもてなすこと」です。特定の相手におもてなしをして親密に話をすることを表します。飲食を伴ったりゴルフを共にすることが多いです。

さいごに

ここでは「対応」と「応対」の意味や使い方・違いについて解説してきましたが、いかがでしょうか。

前後の漢字を入れ替えただけの言葉ですが、使う場面が異なるため、はっきりと使い分けができていなかった方も多いのではないでしょうか?

ビジネスシーンでも頻繁に使用する言葉なので、正しく使い分けるよう心がけてくださいね。

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