「指示」「指図」「指導」「命令」の違い・意味・使い方を徹底解説!「指示を仰ぐ」とは?

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「指示」「指図」「指導」「命令」の違い・意味・使い方を徹底解説!「指示を仰ぐ」とは?

上の立場の人が、下の立場の人に何かを教えたり、相手を動かしたりする言葉に「指示」「指図」「指導」「命令」があります

学校の先生が生徒に対して、またビジネスシーンでは上司が部下に使ったりしますよね。

どれもよく耳にする言葉ですが、それぞれの違いや使い分け方をしっかり理解できていますか?

ここでは「指示」「指図」「指導」「命令」の違い・使い分け方をご説明します。それぞれの意味や「指示を仰ぐ」の使い方についてお伝えするので参考にしてくださいね。

「指示」「指図」「指導」「命令」の違い

「指示」「指図」「指導」「命令」の違いを理解するために、それぞれの意味や使い方を見ていきましょう。

「指示」の意味・使い方

「指示」の意味は「物事をそれと指し示すこと。指図すること。命令」です。

「指示」は仕事の方法や物事のやり方を指し示すことを表す語です。

「指示」の「指」の漢字には「ものさし」、「示」には「しめす」という意味があるとおり、文字の成り立ちからもそのニュアンスが伝わりますね。

なお、強制的な印象や威圧的なニュアンスはそれほど強くなく、事務的な事柄に関して使われます。

ビジネスシーンでは「上司の指示を仰ぐ」「指示を受ける」「的確な指示を与える」といった使い方をします。

【例文】

  • リーダーがメンバーに作業のやり方を指示する。
  • 印刷会社にページの誤字脱字の修正を指示する。
  • 企画書の構成について、的確な指示を与える。
  • 仕事の取り組み方に関する指示を仰ぐ。
  • 指示に従わない部下の心理がわからない。

「指図」の意味・使い方

「指図」の意味は「物事のやり方などを指示・命令して人を動かすこと。また、その指示や命令」です。

何だか「指示」と似た意味ですね。「指示」にはないのが「人を動かすこと」という部分です。

「指図」の「図」の漢字には「考えどおり。思うつぼ」といった意味があることから、強制的に人を動かして、物事を進めたり目的を達成したりすることを表します。

また、「私が指図する」などのように、指図する人の目線からは基本的に使いません。言われた人の意思を尊重せず、命令的な印象を受けたことを表す言葉のため、指図された人が使うことが多い言葉です。

なお、受け取り手は反発心を覚えたり不快な気持ちになったりするなど、「指図」はネガティブな意味合いを含みます。

また、上司や目上の人に仕事の依頼をお願いするとき、「指図」は使いません。「指示をお願いします」とは言っても「指図してください」とはいいませんよね。覚えておきましょう。

【例文】

  • 高圧的に指図された。
  • 上司に顎で指図され、不快な気持ちになる。
  • わかっているのに、横からあれこれ指図しないでほしい。
  • お前に指図されたくない。

「命令」の意味・使い方

「命令」の意味は「上位の者が下位の者に対して、あることを行うように言いつけること」です。

意味にもあるとおり、「命令」は上下関係が存在する関係において成立する言葉です。

たとえばビジネスシーンでは「業務命令」や「指揮命令」「社長命令」といった使い方をしますよね。

なお、「指図」は人に対して使いますが、「命令」は対象が人に限らず、団体や企業に対しても使います。ちなみに「指示」よりも強制力が強いですが、「指図」のように「命令」という言葉だけでネガティブな意味合いは含みません。

「命令」は法律用語でもあります。

【例文】

  • 上司が部下に命令する。
  • あの人は命令口調で話すから嫌だ。
  • 部長の命令に従う。
  • 会社の業務命令に従う。
  • 強制退去するよう執行命令を下す。

「指導」の意味・使い方

「指導」の意味は「ある目的・方向に向かって教え導くこと」です。

「指示」「指図」「命令」のように、人にいいつけて半強制的にやらせるものではありません。これらの言葉とは根本的に違います。

「指導」は、相手をより良い方向に導くために、教える側の人が一緒に考え、寄り添い助言し、どうすれば目的に近づけるかを親身になって取り組むことを表しています。

たとえば、成果を上げることが出来ずに悩んでいる営業マンの部下がいたとします。そこで成果を上げるために「こうしろ」「ああしろ」というのは「指示」「指図」「命令」ですね。

「指導」は、成果が上がらない理由や営業の取り組み方を十分にヒアリングし、悩みを一つずつクリアにしながら、「どうすれば良いのか」を自分で考えてもらい、一緒になって目的に近づけていくことをいうのです。

「指示」「指図」「命令」はその場でできることや、短時間でできることをやるようにいいつけるときに使うことが多いですが、「指導」は長い時間をかけて目的に近づけていくときに使うのが基本です。

スポーツや勉強など、毎日の積み重ねが必要な物事に対して、最終的なゴールに向かって親身に教えていく、という意味合いが強いでしょう。

【例文】

  • 部活動で、顧問が部員に指導する。
  • 2学期になり、先生より進路指導を受ける。
  • コーチの熱心な指導のおかげで、試合に勝つことができた。
  • 演技の指導にあたる。
  • 教育担当として後輩を指導する。

「指示を仰ぐ」の意味・使い方

「指示」を使った言葉に「指示を仰ぐ」という表現がありますが、どのような意味を持つのでしょうか。

「仰ぐ」には「上を向いて高いところを見る」「人を尊敬する。敬う」「尊敬する人からの指示や援助を求める」という意味があります。「下から上を見上げる」という意味が含まれるため、このことから目上の人を尊敬する、という意味合いが含まれるようになったと考えられています。

つまり「指示を仰ぐ」の意味は「尊敬する人からの指示や援助を求める」となります。

ビジネスシーンでは組織の中で動いている立場として、不測の事態になったときは、上司に報告する義務があります。そのようなとき、どのように対応すべきかを判断してもらい、上司に指示を求めたり、アドバイスをお願いしたりするときに使います。

なお、「仰ぐ」は「受ける」の謙譲語なので、上司に伝える場合は「ご判断をいただきたく存じます」といった敬語表現に言い換えるようにしましょう。

さいごに

ここでは「指示」「指図」「指導」「命令」の違い、それぞれの意味と使い方についてお伝えしましたが、いかがでしょうか。

「指示」「指図」「指導」「命令」のそれぞれの言葉は、似た場面で使われることが多いですが、ニュアンスや受け取る側の感じ方は微妙に異なります。

言葉の意味を正しく理解し、適切な場面で、相手に失礼のないように使いたいものです。

この機会に覚えておいてくださいね。

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