「探す」「捜す」の違い・使い分け方|意味・使い方・類義語まとめ

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「探す」「捜す」の違い・使い分け方|意味・使い方・類義語まとめ

あなたは「探す」と「捜す」の違いをご存知ですか?

読み方はどちらも「さがす」の同訓異字ですが、それぞれを使う場面には細かな違いがあるため注意が必要です。

ここでは「探す」と「捜す」の違い、それぞれの意味や使い方についてご説明します。イメージしやすいように類義語についてもお伝えします。またビジネスシーンで役立つ「探す」の謙譲語も紹介するので参考にしてくださいね。

「探す」と「捜す」の違い

まずは、「探す」と「捜す」の違いをご説明します。それぞれの意味や使い方に注目して、違いを理解しましょう。

「探す」の意味・使い方

「探す」の辞書的な意味は「見つけ出そうとして方々を見たり、歩きまわったり、人に聞いたりする。尋ね求める」です。

「探」の漢字は「探索」「探検」「探求」といった熟語で使われることからも分かるとおり、「探す」は「欲しいもの」や「見つけたいもの」をさがすときに使用されます。

例えば、宝物や仕事・職などをさがすときですね。

そのため「探す」は、実在しないかもしれないものや、見つからないかもしれないものを探すときに使われます。

「探し物」や「宝探し」などの言葉にも「探す」は用いられますが、これらは、必ずしも探しているものが見つかるとは限らないときに使われますよね。

そのほかの「探す」の用例は以下のとおりです。

【例文】

  • 3月までに次の職を探す。
  • 駅から徒歩5分圏内の住まいを探す。
  • 不動産屋をつかって貸家を探す。
  • 父の面影を探す。
  • 人のあらを探す。
  • 本当の自分を探す旅に出る。
  • 徳川の埋蔵金を探す。
  • 移住希望者を探すが、なかなか見つからない。
  • 未確認飛行物体を探す。
  • ファイナンシャルプランナーに、条件に合う保険を探してもらう。

「捜す」の意味・使い方

辞書に書いてある「捜す」の意味は「見つけ出そうとして方々を見たり、歩きまわったり、人に聞いたりする。尋ね求める」です。

「探す」と同義ですね。ただし、使う場面は異なります。

「捜す」は、一般に「見えなくなったもの」「無くしたもの」「居なくなった人」をさがす場合に使う表現です。

例えば、行方不明者をさがすときや、落とし物をさがす場合は「捜す」を使います。

「捜す」は、さがす対象の具体的なイメージはあるけれど、一時的に見えなくなってしまったときに用いられます。

「捜す」の用例は以下のとおりです。

【例文】

  • 帰り道でなくした鍵を捜す。
  • 紛失物を捜す。
  • 応援を呼んで逃走した犯人を捜す。
  • 捜していた迷子が見つかった。
  • 家出人を捜す。
  • 失踪した家族を捜し求める。

「探す」と「捜す」の使い分け方

前章では「探す」と「捜す」の意味や違いについてお伝えしました。つづいては使い分け方について、例を挙げてご説明します。

「人探し」と「人捜し」

「人探し」と「人捜し」の読み方は、どちらも「ひとさがし」です。

両者はどのように使い分けるのでしょうか。

まず「人探し」は、求人や採用活動で人を雇うときに使う表現です。一方で「人捜し」は、家出や失踪により行方不明となった人を捜索するときに使います。

「財布を探す」と「財布を捜す」

つづいては「財布を探す」と「財布を捜す」の違いです。

気に入った財布を見つけ出そうと色んなお店を見て回ったり歩き回ったりするときは「財布を探す」と書きます。

一方で、どこかで忘れたり落としてしまったりして、紛失した財布をさがすときは「財布を捜す」になります。

財布に限らず、落とし物をさがすときは「捜す」を使いましょう。

「探す」「捜す」の類義語・言い換え表現

「探す」や「捜す」を別の言葉で言い換えるとき、どのような表現があるのでしょうか。類義語をご紹介します。

「探す」の類語

下記の類語は「欲しいもの」や「見つけたいもの」をさがすときに使う言葉です。

  • 求める:欲しいと望む。ほしがる。得ようとしてさがす。
  • 追求:追いかけてさがす。努力を重ねて手に入れようとする。
  • 探求:あるものを得ようとしてさがし求めること。さがし出して手に入れようとすること。
  • 検索:調べて探しだすこと。特に、文献・カード・ファイル・データベース・インターネットなどの中から必要な情報を探すこと。
  • 探索:未知の事柄などをさぐり調べること。
  • 詮索:細かい点まで調べ求めること。

「捜す」の類語

下記の類語は「見えなくなったもの」「無くしたもの」「居なくなった人」をさがす場合に使う表現です。

  • 捜索:行方不明の人や物をさがし求めること。
  • 捜査:捜して調べること。特に、捜査機関が犯人を発見・確保し、証拠を収集すること。また、その活動。

【おまけ】「探す」の敬語表現・謙譲語

ビジネスシーンでは目上の人やお客様と接するとき、敬語表現が必要不可欠ですよね。

相手の意向に沿う条件を探すことを伝えたいとき、どのような敬語表現が適切なのでしょうか。

シンプルでいて敬意を示した表現は、謙譲語の「お~する」の形に当てはめることです。

つまり、「お探しする」ですね。これが「探す」の謙譲語になります。

そのときの状況に合わせて「お探しします」「お探ししましょうか?」などと変化させて使いましょう。

では現在、すでに探している状況を相手に伝えるにはどのような言い回しがあるのでしょうか。

「お探ししております」でも間違いではありませんが、「お~する」+「おる」の表現は二重敬語のような印象を与えてしまいます。そこで、現在進行形で探している場合は「探しております」を使うのがよりスマートでふさわしいでしょう。

【例文】

  • 一緒にお探ししましょうか?
  • 転居先として1LDKをご希望ですね。これからお探しします。
  • 該当事例をただいま探しております、もうしばらくお待ちください。

さいごに

ここでは「探す」「捜す」の違い、それぞれの意味や使い方についてお伝えしましたが、いかがでしょうか。

おさらいになりますが、「探す」は「欲しいもの」や「見つけたいもの」をさがすとき、「捜す」は「見えなくなったもの」「無くしたもの」「居なくなった人」をさがすときに使う言葉です。

同訓異字なので紛らわしい言葉ですが、意味を正しく理解していれば、実際の使い分けも難しくありませんね。

この機会にしっかり覚えておいてくださいね。

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