「長い」「永い」の違い・意味・使い分け方まとめ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
「長い」「永い」の違い・意味・使い分け方まとめ

「長い」と「永い」の違いをご存知ですか?

「長い」と「永い」はどちらも日常生活の中で馴染み深い言葉ですが、それぞれの意味や違い、使い分け方が曖昧になっている方も少なくありません。

迷ったときは「長い」を使っておけば、間違いない気がしなくもないですが、両者には細かな違いが存在します。

ここでは「長い」と「永い」の意味や使い方・違いについてお伝えします。例文もあげて使い分け方をご説明するので参考にしてくださいね。

「長い」の意味・使い方

「長い」とは「端から端までの隔たりが大きい」と「ある時点までの間隔が大きい。久しい」という意味があります。

また、「長い」の「長」という漢字には下記の意味があります。

  • 1:寸法や距離がながい。
  • 2:時間の幅が大きい。
  • 3:ながくのびる。大きくなる。
  • 4:すぐれている。すぐれたところ。
  • 5:ゆったりしている。

1の意味に「寸法や距離がながい」と書いてあるように、「長い」は物理的・空間的なながさを表すときに使われます。

たとえば「長い髪」や「長い道のり」といった使い方ですね。熟語でも「長身」や「長方形」「長蛇」などと用いられます。

また2の意味から、時間や抽象的なながさを表すときにも使います。「長い時間」や「気が長い」「息の長い」などですね。

【例文】

  • 世界には明石海峡大橋よりも長い橋がたくさんある。
  • 大学前の坂道はとても長いので、足腰が鍛えられる。
  • 待ち時間が長いため、暇を持て余した。
  • 父は気が長く、めったなことでは怒らなかった。

「永い」の意味・使い方

「永い」の意味を辞書で調べると「ある時点までの間隔が大きい。久しい。また、永久である」と書いてあります。「長い」とほとんど同じ意味ですね。

「永い」の「永」の意味は「時間が長く続く。久しい」であり、「永」の漢字は「永遠」「永久」「永劫」「永続」などの熟語でも用いられます。

つまり「永い」は、いつまでも限りなく続くときや、時間の果てがないときに使われる言葉なのです。

そのため「末永いお付き合い」という言葉は、より良い関係が永遠に続いてほしいという願いを込めた表現となります。

【例文】

  • 永い年月が過ぎた。
  • 後世に永く、その名を残した。
  • 不束者ですが、末永くよろしくお願いします。
  • 先方とはぜひ末永いお付き合いをお願いしたい。

「長い」と「永い」の違い・使い分け方

前章までで「長い」と「永い」の意味や使い方についてお伝えしましたので、次は両者の違いについてご説明します。

まず「長い」は下記の3つの使い方をします。

  • 寸法や距離といった物質的なながさを表すとき。
  • 人の感情や様子といった抽象的なながさを表すとき。
  • 時間のながさをあらわすとき。

一方で、「永い」は、時間のながさを表すときに使います。

そのため、時間以外のことを表すときは「長い」を使うことがわかりますね。

では、時間のながさを表すときに「長い」と「永い」をどう使い分けるのでしょうか。

「長い」は、単に時間の幅が大きいことを表すときに使う語であるのに対して、「永い」は永続的・永遠的な時間の長さを表すときに使う言葉なのです。

そのため「長い年月」は、単に長期間ということを指す言葉ですが、「永い年月」と書くと、時間の果てがないことを強調した表現となります。

また「永い眠りにつく」は死去や永眠を表した言葉ですが、「永遠に」という意味合いがふさわしいため、「永い」を使います。

なお、「永年勤続」という言葉は「同じ会社・職場にながい年月続けて勤務すること」を意味する言葉であり、「長さ」を表すのにここでは「永」が使われていますね。

その理由は、「永遠に続くと思われるような長い時間を表現する」という比喩的な意味で「永い」という漢字が使われているのです。

【例文】

  • 今日の治療はいつもより長くかかった。
  • 父は朝いつもトイレが長い。
  • 母はこの世の生活を終えて、永い旅に出た。
  • 人生を全うして永い眠りにつく。

「長い物には巻かれろ」の意味とは?

諺(ことわざ)のなかに「長い物には巻かれろ」という言葉があります。ここでも「長い」という言葉が使われていますが、どのような意味を持つのでしょうか?

「長い物には巻かれろ」とは「目上の者や勢力の強い相手とは争わないで、それに従った方が得策だ」という意味です。

下手に歯向かったり反抗したりしようとすると自分の立場が怪しくなったり、立場が危ぶまれたりするので傘下に入り従った方がよいという処世術を表すたとえです。

さいごに

ここでは「長い」と「永い」のそれぞれの意味や使い方、違いについてお伝えしましたが、いかがでしょうか。

日常生活の中や、ビジネスシーンでは「長い」を使うことが多いと思います。

ですが、時間の長さの度合いによっては「永い」という漢字が適切になる場面もあるため、正しく使い分けることが大切ですね。

この機会に覚えておいてくださいね。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket