「過分なる」の意味・使い方|お祝い・お礼状・挨拶状の例文つき

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「過分なる」の意味・使い方|お祝い・お礼状・挨拶状の例文つき

お礼状の文面で「過分なる」という言葉を目にすることがあります。

  • 過分なるご芳志を頂戴し
  • 過分なるご厚意を賜り
  • 過分なるご厚志を頂戴し
  • 過分なるご芳志まで賜りまして

字面から意味を何となく想像できる方もいると思いますが、社会人として覚えておくべき基本用語のひとつなので、正確な意味や正しい使い方を理解しておいたほうがよいでしょう。

ここでは「過分なる」の意味や使い方をご説明します。お祝いをもらったときのお礼状の例文や類語表現もご紹介するので参考にしてくださいね。

「過分なる」の意味

「過分なる」の読み方は「かぶんなる」です。

「過分」とは「程度や限度を超えていること。また、そのさま」という意味です。簡単に言えば「すごく」「とても」「過剰」といった表現に言い換えることができます。

そもそも「過分」の「分」の漢字は、日常会話の中で「分相応」「分をわきまえる」といった使い方をするとおり、「その人の持っている身分や能力。身の程。分際」という意味があります。そこに「過」をつけ加えることにより「過分」は「分に過ぎた扱いを受けること。また、そのさま」という意味となります。

「過分なる」は主に、相手に謙遜しつつ感謝の気持ちを表すときに用いられる言葉です。

ちなみに、「過分なる」の「なる」ですが、「過分なるお言葉」「過分なる贈り物」「過分なるお祝いのしるし」といったように、形容動詞「過分だ」の後ろに名詞を付けるために変化した言葉です。名詞が続く際には、連体形として「過分なる」もしくは「過分な」という形になります。

「過分なる」の意味には他にも「態度や振る舞いが、分際をわきまえないこと。また、そのさま。身分不相応」というものもあります。しかし、実際はこういったネガティブな意味で使うことはありません。

「過分なる」の使い方

「過分なる」はかしこまった表現なので、目上の人に宛てる文章で使えます。

ご祝儀や頂きものを受け取ったときに、「自分にはもったいない」という嬉しい気持ちや、相手の心遣いに対して「自分には分不相応なほどの厚意」という意味合いで、謙遜とお礼の気持ちを伝えるときに使います。

使う場面は、「過分なる」は目上の人から金品を受け取ったときや、高く評価してもらったとき、お誘いをいただいたとき、おもてなしを受けたときです。

前述したように「過分」は本来「分不相応な」という意味があります。「分不相応」には「もったいない」という肯定的な意味と、「分際をわきまえない」という否定的な意味があります。

ですが、目上の人に宛てる手紙やビジネス文書で使うときは、基本的に「私にはもったいない程ありがたい」という意味で使います。

「過分なる」を使った例文をご紹介します。

【例文】

  • 過分なるご芳志まで賜りまして誠にありがとうございました。
  • ご丁寧なご祝詞と過分なるお心遣いを賜り、誠にありがとうございました。
  • 過分なるご交誼にあずかり、心より感謝申し上げます。
  • 過分なるお気遣いを頂きまして、誠にありがとうございます。
  • 過分なる評価に身が引き締まる思いです。
  • この度の過分なるおもてなし、心より感謝申し上げます。

「過分なる」を使ったビジネス文書の例文集

会社の新築祝いのお礼状

拝啓 陽春の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご厚誼を賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、このたびの弊社新社屋落成にあたりましては、ご多忙のところ、ささやかな宴にご出席いただき、誠にありがとうございました。また、丁寧なご祝詞ならびに過分なるご芳志を頂戴いたしまして、重ねて御礼申し上げます。
 来月一日(月)より新社屋へ移転し、営業を開始いたす運びとなりましたのも、ひとえに皆様の平素より変わらぬご厚情、ご支援の賜物と深く感謝いたしております。
 これを機に、社員一丸となって社業に精進いたす所存です。
 今後とも倍旧のご指導、ご鞭撻をいただけますようお願い申し上げます。
 略儀ながら、書中にて御礼のみ申し上げます。

敬具

出産祝いのお礼状

拝啓 このたび私どもの次男・直樹(なおき)の誕生に際しましては、早々にごていねいなご祝詞と過分なるお心遣いを賜り、誠にありがとうございました。
 おかげ様で安産にて、母子ともに経過は順調です。ふたり目とはいえ、相変わらず不慣れな親ではございますが、これからも二人協力して育児に励んでまいりたいと存じます。今後ともよろしくご指導くださいますよう、お願い申し上げます。
 なお、心ばかりの内祝いのしるしをお送りいたしましたので、ご笑納いただければ幸いです。
 末筆ながら、皆様のご多幸をお祈り申し上げます。

敬具

開業祝いのお礼状

謹啓 麗春の候、〇〇部長にはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
 このたびは、事務所開設につきまして、ご丁寧なお祝い状と過分なるお祝いのしるしをお送りいただき、心より感謝しております。
 在職中に賜りました部長のご指導を糧とし、一人でも多くの方にご奉仕できるよう、鋭意努力してまいる所存です。今後とも変わらぬお力添えのほどお願い申し上げます。
 ささやかながら、内祝いの品をお贈りいたしましたので、ご笑納ください。
 略儀ながら、御礼かたがたご挨拶まで。

敬具

転勤の挨拶状

拝啓 陽春の候、ますますご隆盛のこととお喜び申し上げます。
 さて、私こと四月一日をもちまして本社勤務を命ぜられ、三月末日で御地を離れることとなりました。
 名古屋支社勤務中は過分なるご交誼にあずかり、心より感謝申し上げます。
 新任地におきましても誠心誠意努力し、職務に精励する所存でございます。今後とも倍旧のお引き立てを賜りますよう、お願い申しあげます。
 まずは略儀ながら書中をもちまして、ご挨拶まで申し上げます。

敬具

「過分なる」の類語・言い換え表現

前述した通り、「過分なる」には肯定的な意味と否定的な意味の2つがあります。

まずは謙遜を表す意味合いの類語をご紹介します。

結構な

「過分なる」の言い換え表現の意味としての「結構」は「すぐれていて欠点がないさま」という意味です。「先日は、結構なおもてなしをありがとうございました」という使い方ができます。

身に余る

「身に余る」の意味は「処遇が自分の身分や業績を超えてよすぎる。過分である。身に過ぎる」です。「この度の受賞は、身に余る光栄に存じます」という使い方をします。

もったいない

言い換え表現の意味での「もったいない」は「身に過ぎておそれ多い。かたじけない」という意味です。「私にはもったいないお言葉の数々に、恐縮しております」という使い方をします。

お心のこもった

「お心のこもった」の「心」には「他人の状況を察していたわる気持ち。思いやり。情け。人情味」という意味があります。例文は「お心のこもったお手紙、心より感謝いたします」です。

温かい

「温かい」の意味は「思いやりがある。いたわりの心がある」です。「温かいご配慮に深く感謝いたします」という使い方をします。

「過分なる」の表現は、使う相手や場面によっては堅苦しい印象を与えるかもしれません。親しい間柄の相手に感謝の気持ちを伝えたりするときは、ご紹介した類語を使ってみるとよいでしょう。

さいごに

ここでは「過分なる」の意味や使い方をお伝えしましたが、いかがでしょうか。

お祝いをもらったときに、感謝の気持ちを伝えるフレーズとして使える表現なので、お礼状を書くときに使うとよいでしょう。

この機会に覚えておいてくださいね。最後までお読みいただきありがとうございました。

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