「ご照会」という言葉を実際に使ったことはありますか。
よく見聞きする言葉であっても、いざ自分で使おうとすると難しいものです。
ここでは「ご照会」の意味や使い方をご紹介します。よく使われる「ご照会」を使ったフレーズについても、例文を挙げてご説明します。
ビジネスシーンにおいて、「ご照会」は頻繁に使う言葉のひとつです。是非この記事を読んで正しい使い方をマスターしてくださいね。
目次
「ご照会」の意味
「ご照会(ごしょうかい)」の「照会」の意味は、「問い合わせて確かめること」です。手紙や電話、メール等を使って、ある事柄や人物についての不明な点を聞いて確認することを指します。
「ご照会」の「ご」は敬語の接頭辞なので、「ご照会」は敬語です。敬語には尊敬語・謙譲語・丁寧語があります。しかしながら、「ご照会」の多くは目上の人や取引先が自分もしくは第三者へ問い合わせることを指して使うため、「ご照会」は尊敬語です。もちろん、自分が問い合わせることについて使う「ご照会」は謙譲語となります。
「ご照会」の使い方(例文つき)
「ご照会」は敬語表現なので、ビジネスシーンでは頻繁に使われます。ここでは「ご照会」と一緒に使うことの多いフレーズを挙げて、その使い方についてご説明します。
「ご照会ありがとうございます」
「ご照会ありがとうございます」は、問い合わせに対する感謝の言葉です。
相手からの問い合わせに対する返答の冒頭や、問い合わせてくれたことによって気づきを得た際に使います。
より丁寧な表現として、他にも「ご照会いただきありがとうございます」「ご照会くださいましてありがとうございます」という言い回しがあります。
「ご照会ありがとうございます」を使った例文は、以下の通りです。
【例文】
- この度は、ご照会ありがとうございます。詳細を確認した上で、3営業日以内にお返事を差し上げます。
- ご照会いただきありがとうございます。いただいたご意見は社内で共有し、今後の参考にさせていただきます。
- 先日お願いしました価格変更の件、早速A社へご照会くださいましてありがとうございます。
「ご照会いただけますようお願い申し上げます」
「ご照会いただきますようお願い申し上げます」は、相手へ問い合わせをお願いする丁寧なフレーズです。
問い合わせをお願いする最もシンプルなフレーズは、「ご照会ください」です。しかし、「ご照会ください」には相手に強要するようなニュアンスを含むため、中には横柄で失礼だと感じる人もいます。そこで、謙譲語の一般形「ご~いただく」「お~申し上げる」を使って「ご照会いただきますようお願い申し上げます」とします。すると、相手への敬意を明確に示す言い回しとなり、より丁寧な印象にすることができるのです。「ご照会いただきますようお願い申し上げます」は、ビジネスメールの結びに使われることが多い表現です。
「ご照会いただきますようお願い申し上げます」を使った例文は、以下の通りです。
【例文】
- ご多忙中恐れ入りますが、何かありましたら担当の鈴木へご照会いただきますようお願い申し上げます。
- その点については弊社ではわかりかねます。大変お手数ですが、A社へご照会いただきますようお願い申し上げます。
- 職人による手作りとのことですが、実際のサイズ誤差はどの程度でしょうか。お手数ですが、製作所へご照会いただきますようお願い申し上げます。
「ご照会の件」
「ご照会の件」の意味は、「問い合わせて確かめたこと」です。
「ご照会の件」は相手から自分への照会、もしくは相手が第三者へ照会した内容について言及する際に使うフレーズです。自分への照会に際は、主に相手からの問い合わせに返事をする場面で使います。
「ご照会の件」は「ご照会いただいた件」とすることもあります。また、「照会」を「問い合わせ」と言い換えて、「お問い合わせの件」「お問い合わせいただいた件」と言い換えることも可能です。和語の「お問い合わせ」が平仮名交じりで柔らかい印象なのに対して、漢字で構成された漢語の「ご照会」はよりかしこまったフォーマルな印象となります。
「ご照会の件」を使った例文は、以下の通りです。
【例文】
- ご照会の件につきましては、後ほど担当者より折り返しご連絡いたします。
- 先日ご照会いただいた件ですが、もう少々お時間を頂戴したく存じます。
- お問い合せの件ですが、そちらの商品は完全限定生産商品となります。ご希望される場合は、ご予約をお願いいたします。
- 先日A社へお問い合せいただいた件について、ご回答を共有していただきありがとうございます。
「ご照会ください」
「ご照会ください」は、相手に「問い合わせて確かめてください」と依頼するフレーズです。
具体的には、お客様に問い合わせ窓口への連絡を促す場面などで用いられます。
語尾に丁寧の助動詞「ます」の命令形を付けて「ご照会くださいませ」とすると、より丁寧の気持ちを込めて相手に照会するよう依頼することができます。
「ご照会ください」を使った例文は、以下の通りです。
【例文】
- リストに記載してある連絡先や担当者名に誤りがないか、今一度関係各所へご照会ください。
- お手数ですが、発注数に関してはA社の方へご照会ください。
- お手続きを進めていく上でご不明な点がございましたら、遠慮なくご照会くださいませ。
「ご照会させていただく」
「ご照会させていただく」は、自分が相手へ問い合わせて確認することをへりくだった表現です。
「させていただく」は、使役の助動詞「させる」と、「もらう」の謙譲語「いただく」で成り立っています。「させていただく」は使役の意味を含むため、事前に相手から許可をもらった上での行為に対して使います。相手に許しを請うことで「遠慮しながら問い合わせる」という意味合いを持たせることが可能です。
「~と思います」という意味を付け加えて「ご照会させていただきたく存じます」とすると、より丁寧な言い回しになります。
「ご照会させていただく」を使った例文は、以下の通りです。
【例文】
- いくつか気になる点があるため、後ほどまとめてご照会させていただきます。
- 請求書の準備が整いましたら、内容に相違ないかご照会させていただきたく存じます。
- 弊社ではご希望日までに納品が可能かどうか、発注前にあらかじめ製造業者へご照会させていただいております。
「残高照会」「ご契約内容の照会」
「照会」は、「残高照会」「ご契約内容の照会」といった使い方もします。
「残高照会」の意味は「残金を確認すること」です。預金やローン、資産といった収支や賃借の残高を確認する時に使います。銀行やATMなどでよく見かけるフレーズです。
また、「ご契約内容の照会」の意味は、「契約している内容を確認すること」です。保険や携帯電話、借家の賃貸など、あらゆる契約内容に対して使うことができるフレーズです。
他にも、「照会」を使った言葉には、「身元照会」「個人情報の照会」などがあります。
「残高照会」「ご契約内容の照会」を使った例文は、以下の通りです。
【例文】
- 残高照会をして、自分の預金残高を再確認する。
- 契約プランを見直すために、まずは契約内容の照会をしよう。
- 個人情報保護の強化に伴い、第三者による個人情報の照会はかなり難しくなっている。
- 本人の承諾なしに前職等の身元照会を行うことは、個人情報保護法に抵触します。
「ご照会」の類語・言い換え表現
「ご照会」の類語には、以下のようなものがあります。
【類語】
- お問い合わせ(おといあわせ):不明の点を聞いて確かめる
- ご質問(ごしつもん):わからないところや疑わしい点について問いただすこと。
- ご調査(ごちょうさ):物事の実態・動向などを明確にするために調べること
さいごに
ここまで「ご照会」の使い方についてご説明してきましたが、いかがでしたか。
「ご照会」の意味は「問い合わせて確認すること」です。敬語の接頭辞「ご」が付いているため文脈に応じて尊敬語や謙譲語、丁寧語として扱いますが、ビジネスシーンでは、尊敬語として使うことがほとんどです。
頻繁に使うフレーズとして「ご照会ください」「ご照会ありがとうございます」「ご照会いただきますようお願い申し上げます」などがあります。
ビジネスシーンでは、間違いがないように相手に問い合わせて確認する、もしくは問い合わせてもらうよう依頼するという場面が多々あります。そんな時に「ご照会」を上手に使えると、すっきりとした文章で意図を伝えることができますよ。
この記事を参考に、適切に「ご照会」が使えるようになるよう応援しています。