「ご連絡させていただく」の意味・使い方(例文)|敬語表現・言い換え表現

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「お忙しいところ恐れ入りますが」の意味・使い方|ビジネスメール・電話の例文つき

ビジネスシーンでは、相手とやり取りする機会も多いですよね。

そんな時に「ご連絡させていただく」というフレーズを使っている方もいらっしゃるかと思います。しかしながら、このフレーズはビジネスシーンで使える正しい敬語なのでしょうか。

ここでは「ご連絡させていただく」が正しい敬語なのかどうか、さらに言い換え表現についてもご紹介します。

相手へ正しい敬語で連絡できるよう、是非このページを参考にしてくださいね。

「ご連絡させていただく」の意味

「ご連絡させていただく」の意味は、「厚かましくて恐縮ですが、許可をもらったので連絡します」です。

「ご連絡させていただく」の意味は、品詞に分解すると理解しやすくなります。

  • :敬語の接頭辞
  • 連絡:気持ちや考えなどを知らせること。情報などを互いに知らせること。
  • させ:使役の助動詞「させる」の活用形
  • :接続助詞
  • いただく:補助動詞「もらう」の謙譲語

つまり、「ご連絡させていただく」は相手への敬意を表しながら、自分が「連絡させてもらう」ことを伝えるフレーズとなります。「ご連絡させていただく」の前に「追って」や「改めて」を付けると、さらに丁寧な表現にすることができます。

また、使役の助動詞「させる」の意味は、「自分がある動作をすることを他人に許してもらう」です。

文化庁による文化審議会答申「敬語の指針(平成19年2月)」によると、「(ご~)させていただく」を使うには、以下の2点をある程度満たすことが条件となっています。

  • 相手側又は第三者の許可を受けて行う(使役)
  • そのことで恩恵を受けるという事実や気持ちのある場合(受益)

つまり、「ご連絡させていただく」は、あらかじめ相手から連絡することを許されていて、なおかつ連絡できることをありがたく思っている場合に使えるフレーズと言えます。

これらの条件を満たしているとみなすかどうかは、個人の許容度によります。したがって、「ご連絡させていただく」の使用が適切かどうか悩んだ時は、別のフレーズに言い換えた方が賢明でしょう。

「連絡する」の敬語表現

「連絡する」の敬語表現には、以下のようなフレーズもあります。

【敬語表現】

  • ご連絡します:謙譲語の一般形「ご~する」+丁寧の助動詞「ます」
  • 連絡いたします:謙譲語の一般形「~いたす」+丁寧の助動詞「ます」
  • ご連絡いたします;謙譲語の一般形「ご~いたす」+丁寧の助動詞「ます」
  • ご連絡申し上げます:謙譲語の一般形「ご~申し上げる」+丁寧の助動詞「ます」
  • ご連絡差し上げます:敬語の接頭辞「ご」+「あげる」の謙譲語「差し上げる」+丁寧の助動詞「ます」

「ご連絡させていただく」には、「許可を得て連絡する」という使役の意味が含まれています。このニュアンスを取り除くと、上に挙げたようなすっきりとした言い回しにすることができます。

これらの敬語表現はどれも話し相手への敬意を含んでいるためビジネスシーンに適していますが、中でも「ご連絡申し上げる」は非常に丁寧な印象を与えます。そのため、取引先や目上の人へ、感謝や謝罪を伝える際に「ご連絡申し上げる」を使う傾向があります。

また、「連絡いたします」と「ご連絡いたします」では、立てる相手が異なります。

「ご連絡いたします」は、謙譲語「ご連絡する」の「する」をさらに謙譲語「いたす」に代えたものです。これは「ご連絡する」の敬語の働きによって連絡先である相手を立て、さらに「いたす」の敬語の働きによって話し相手も立てています。つまり、連絡先を立てる必要がない場合、例えば身内へ連絡することを取引先に伝える場合には「連絡いたします」を使うのが適切です。

「連絡いたします」と「ご連絡いたします」の使い分けは、連絡先を立てるべきか否かに注目しましょう。

「ご連絡」の言い換え表現

「ご連絡」の言い換え表現と、それらの違いについてご紹介します。

【言い換え表現】

  • お知らせ:知らせること。また、その内容。通知。
  • ご報告:告げ知らせること。特に、ある任務を与えられた者が、その経過や結果などを述べること。また、その内容。
  • ご一報:簡単な知らせ。最初の知らせ。

お知らせ

「お知らせ」は訓読みの言葉である和語のため、「ご連絡」よりも柔らかい印象を与えることができます。「ご連絡」が話し言葉と書き言葉の両方で使えるのに対し、「お知らせ」は一般的に書き言葉を中心に使います。

ご報告

「ご報告」は目上の人に対して使う言葉です。

「ご連絡」がごく簡単に伝えることを指すのに対し、「ご報告」は経過や結果を詳細に伝える時に使います。

ご一報

「ご一報」は「ご連絡」よりさらに簡素な知らせを表す言葉です。

資料の受け取りやFAXの既読といった反応を確かめる程度内容で、主に電話による連絡を指します。もし相手から一報が欲しい場合には、前置きとして「大変恐れ入りますが」「ご多忙中恐縮ですが」を付け加えると、「申し訳ないですが、ごく簡単で構わないので連絡をください」というニュアンスを伝えることができます。

さいごに

ここまで「ご連絡させていただく」についてご紹介しましたが、いかがでしたか。

「ご連絡させていただく」は「連絡させてもらう」という使役と受益の意味合いを持つ言葉です。二重敬語ではないためビジネスシーンでも問題なく使うことができます。しかし、「ご連絡させていただく」を使うには、事前に相手から連絡する許可があり、また「ありがたく連絡させていただく」ことを満たしていなければなりません。「ご連絡させていただく」というフレーズが適切かどうかは個人の許容度によるため、もし迷ったら他の表現に言い換えましょう。

ビジネスシーンでは、相手へ連絡が必要となる場面が多々あります。そんな時に「ご連絡させていただく」が適切に使えると、「連絡させてもらえてありがたい」という積極的な姿勢を表現することができます。

周囲と活発なやり取りをするためにも、このページが助けとなれば幸いです。

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