「ご苦労様です」「お疲れ様です」の違い・使い分け方|上司や目上の人に失礼なのはどっち?

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「ご苦労様です」「お疲れ様です」の違い・使い分け方|上司や目上の人に失礼なのはどっち?

社会人になると、社内や社外で色々な人と接する機会が増えますよね。そんなときに欠かせないのが挨拶です。

ビジネスシーンでは相手に用事がなくとも、すれ違ったり顔を合わせたりしたときに笑顔で挨拶するのがマナーです。

そんなときに悩むのが「ご苦労様です」「お疲れ様です」の使い方。挨拶をする相手が上司なのか、取引先なのか、自社に出入りしている宅配業者なのかなど、相手との関係性によってしっかりと使い分けする必要があります。

ここでは「ご苦労様です」「お疲れ様です」の挨拶言葉の正しい意味や使い方、相手に合った適切な使い分け方をお伝えします。ビジネスシーンでは上司や目上の人、目下の人に対する挨拶を変える必要があります。間違った使い方をすると失礼な挨拶になってしまうので、参考にしてくださいね。

「ご苦労様です」の意味と使い方

「ご苦労様です」は、相手の苦労をねぎらう意味で用いる語です。

例えば、こちらが依頼した仕事を完了した部下に対して「苦労をかけてしまい、大変だったね」というねぎらいの気持ちを込めて「ご苦労様です」という言葉を使います。

「ご苦労様です」は「御苦労」という言葉を丁寧にした言葉で、他人が仕事をするのに苦労を伴う場合、また苦労をかけてしまったと感じる場合に、それをねぎらい、いたわる言葉として「ご苦労様です」と使うようになりました。

そういった意味から「ご苦労様です」は、目下の人に用いる挨拶言葉です。「苦労をかけた」という意味合いを含む言葉のため、社内の人間のなかで、同等の立場や目上の人に対して使うのは失礼です。

社内だと目上の人が目下の人に対して言葉をかけるときや、自社に出入りする業者に対して使うのが基本。荷物を届けてくれた宅配業者など、自分が顧客の立場のときに使う挨拶言葉です。

【例文】

  • (部下に)わざわざ届けてくれて、ご苦労様。
  • (部下に)遅くまで資料の作成、ご苦労様。
  • (宅配業者に)配達いつもご苦労様です。
  • (社長が社員に)皆さん、本当にご苦労様でした。

ただし、社会人として未熟な立場の新入社員は「ご苦労様です」の挨拶は避けた方が無難です。上から目線の印象を与える場合もあるので、業者や取引先には「ありがとうございます」に言い換えて伝えましょう。

「お疲れ様です」の意味と使い方

「お疲れ様です」も「ご苦労様です」と同様に、相手の苦労をねぎらう意味で用いる語です。仕事をした人に対して「疲れたね、大変だったね」というねぎらいの気持ちを込めた表現です。

ビジネスシーンにおいて「お疲れ様です」は社内などの身内に使う言葉とされており、職場の人とすれ違うときの挨拶として使ったり、社内の相手に電話をかけたときの第一声に「お疲れ様です。〇〇(苗字)です」と伝えたりします。また、職場で先に帰社する人に「お仕事お疲れ様でした」などと使ったりもします。

【例文】

  • (上司に)お先に失礼します。お疲れ様です。
  • (電話で上司に)お疲れ様です。〇〇です。
  • (退職する上司に)長年のご勤務、大変お疲れ様でした。

「ご苦労様です」「お疲れ様です」はどっちが上司に失礼?

これまで「ご苦労様」「お疲れ様」の使い方についてお伝えしましたが、社内で挨拶をするときの言葉の結論は下記のとおりです。

  • ご苦労様です:目上の人が目下の人に使う言葉
  • お疲れ様です:目下の人が目上の人・同僚・目下の人に使う言葉

「ご苦労様です」は先に述べた通り、「相手に苦労をかけた」というニュアンスを含みます。ビジネスでは上司や目上の人に対して「苦労をかける」というのはふさわしくない言葉のため、失礼にあたります。

また、社内の上司、同僚、後輩や部下には「お疲れ様です」を使うのが基本です。ただし、「お疲れ様です」は相手による区別がついていない表現のため、社長や部長といった職位の高い方や重役には敬語を用いて「お疲れ様でございます」という言い回しを使うと、より丁寧な印象を与えます。

【例文】

  • 〇〇課長、お疲れ様です。
  • 〇〇部長、お疲れ様でございます。
  • 社長、この度はお疲れ様でございます。
  • 大変お疲れ様でございました。

「お世話様です」との違いは?

「ご苦労様です」「お疲れ様です」と似た言葉に「お世話様です」があります。

関東で耳にする機会の多い言葉であり、世話になった人への日頃の感謝の気持ちを表す挨拶の言葉ですが、「お世話様です」は「ご苦労様」の意味合いを含むため、目上の人に使うと失礼な印象を与える可能性があります。

「お世話様です」はなるべく使わず、取引先や目上の人には「お世話になっております」「いつもありがとうございます」などといった言葉を使いましょう。

「お疲れ様です」「ご苦労様です」のメールの使い方

さいごに、ビジネスメールの書き方を紹介します。上司、部下、社外への挨拶を正しく使い分けましょう。

上司や社内宛てのメールには「お疲れ様です」を使う

件名:お食事のお礼

〇〇課長

お疲れ様です。営業部の△△です。

本日はお忙しいなか、仕事を切り上げて
お食事にお誘いいただき、ありがとうございました。
また、ご馳走までしていただき、感謝申し上げます。

仕事の成果が上がらず悩んでいたのですが、
ご助言いただいたおかげで、気持ちが軽くなりました。

親身になって相談に乗っていただき、ありがとうございます。
明日からは失敗を恐れず、行動量に重きを置いて、
仕事と向き合って参ります。

いち早く仕事でお返しができるよう、誠心誠意努力して参りますので
何卒ご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。

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署名
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部下へのメールには「ご苦労様です」を使う

件名:Re:プレゼン資料作成のご報告

〇〇さん

メール確認しました。
昨日は遅くまでご苦労様。

疲れていると思うので、
今日は早めに仕事を切り上げて疲れを癒してください。

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署名
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「ご苦労様」を「お疲れ様」に言い換えても自然です。

社外へのメールには「お世話になっております」を使う

件名:お打ち合わせのお礼【株式会社△△・△△(名前)】

株式会社〇〇〇〇
総務部 〇〇 〇〇 様

お世話になっております。
私、株式会社△△の△△と申します。

本日はお忙しいなか、貴重なお時間をいただき、
誠にありがとうございます。

私からのご提案内容に関しまして、
ご不明な点やご質問など御座いましたら、
お気軽にご相談頂けましたら幸甚です。

今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。
取り急ぎ、お打ち合わせのお礼を申し上げます。

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署名
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まとめ

「ご苦労様です」「お疲れ様です」の意味や正しい使い方、違いについて解説しましたが、いかがでしょうか。「ご苦労様です」は上司や目上の人に使うと失礼にあたるため、「お疲れ様です」を使いましょう。

ビジネスでの円滑なコミュニケーションに、挨拶は潤滑油のような大事な働きをします。「ご苦労様です」「お疲れ様です」と相手に対してねぎらいの言葉をかけることによって、人間関係がよりよくなり、スムーズに仕事が進むようになります。相手に合った正しい使い方を覚えて、ビジネスシーンでぜひ活用してくださいね。

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