「ご厚誼」の意味・使い方(例文)|ご交誼・ご高配・ご厚情との違い

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「ご厚誼」の意味・使い方(例文)|ご交誼・ご高配・ご厚情との違い

「ご厚誼」の意味や使い方はご存知ですか?

ビジネスシーンで度々見かける「ご厚誼」という言葉、意味や読み方に少し自信がないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここでは「ご厚誼」の意味や正しい使い方をご紹介します。日常生活では馴染みの薄い言葉ですが、自然な形でビジネスメールに盛り込めるよう例文も合わせてご紹介しています。是非参考にしてくださいね。

「ご厚誼」の意味

「厚誼」の読み方は「こうぎ」です。

「ご厚誼」の「厚誼」とは「情愛のこもった親しいつきあい。厚いよしみ」という意味です。

一般的には、目上の人や上司との付き合いのことを指します。そもそも「誼」という漢字は「よしみ」と読み、これ一文字で「親しいつきあい」を意味します。

ちなみに「昔のよしみで~」といった言い回しを耳にしたことがある方もいると思いますが、これは「昔からの親しい仲」という意味を表しています。

「ご厚誼」の使い方

「ご厚誼」は「親しい付き合い」という意味ですが、目上の人に対して使うかしこまった表現です。

「ご厚誼」を使う主な場面として、お悔やみや葬儀での挨拶、年始の挨拶や退職・受賞パーティにおけるスピーチなどが挙げられます。

使うタイミングは、挨拶の冒頭や締めの言葉の中で使うのが一般的です。

「親しくしてくださってありがとうございます」と、目をかけてもらったお礼を伝える場合には、「ご厚誼に感謝申し上げます」「ご厚誼を深謝申し上げます」という形で使います。

また、「目をかけてもらった」こと自体を指して、「ご厚誼を賜り」「ご厚誼にあずかり」とも使います。「ご厚誼」の度合いをさらに強めたい場合は、前に「ひとかたならぬ」「格別の」「大変な」を付け加えると良いでしょう。

「ご厚誼」の例文

「ご厚誼」を使った例文は以下の通りです。

「ひとかたならぬご厚誼を賜り」

昨年中は公私にわたりひとかたならぬご厚誼を賜り、厚く御礼申し上げます。本年も、何卒ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

「平素は格別のご厚誼にあずかり」

平素は格別のご厚誼にあずかり、感謝申し上げます。この度、皆様のご支援ご協力のおかげで、このような素晴らしい賞をいただくことができました。今後はより高みを目指して参る所存ですので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

「ご厚誼を賜りますよう」

この度、○○に異動することになりました。長きにわたり務めさせていただくことができましたのも、ひとえに皆様のご厚情の賜物です。新天地におきましてもこれまで同様精励する所存ですので、変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。

「ご厚誼のほどお願い申し上げます」

かねてより病気療養中だった父が平成○○年〇月〇日に永眠いたしました。服喪中のため、勝手ではございますが年末年始のご挨拶を差し控えさせていただきます。明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます。

ご厚誼・ご交誼・ご高配・ご厚情の違い

「ご厚誼」と混同しやすい言葉に「ご交誼」「ご高配」「ご厚情」があります。まず、それぞれの意味を確認してみましょう。

  • ご厚誼(ごこうぎ):情愛のこもった親しいつきあい。厚いよしみ。
  • ご交誼(ごこうぎ):友人としての親しいつきあい。よしみ。
  • ご高配(ごこうはい):他人を敬って、その心配りをいう語。
  • ご厚情(ごこうじょう):厚いなさけ。心からの深い思いやりの気持ち。

「ご厚誼」と「ご交誼」は「つきあい。よしみ」という点では共通していますが、相手によって使い分ける必要があります。「ご厚誼」が目上の人に対して使うのに対し、「ご交誼」は目上の人に対して使うと失礼にあたります。

あくまで「ご交誼」は友人として、同等の付き合いを指す言葉です。どちらの言葉が適切なのか、相手との関係性に注意が必要です。なお、ビジネスシーンでは相手が誰であれ「ご厚誼」を使う方が無難です。

「ご高配」と「ご厚情」も、心配りや思いやりといった相手からの親切心を指す点、相手の立場を問わずに使える点において共通しています。厳密に違いを挙げるなら、「ご高配」は「配」の字から「配慮、心遣い、心配り」、「ご厚情」は「情」の字から「情け、思いやり、同情」というニュアンスが含まれます。

さいごに

ここでは「ご厚誼」の意味や使い方をご説明しましたが、いかがでしょうか。

「ご厚誼」はかしこまった表現なので、主に目上の人に対して使います。使うシーンとしては、親しくしてもらったお礼を伝える際や、お悔やみ、年始の挨拶、退職のお知らせの際に用います。

この機会に覚えておいてくださいね。

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