「ご無礼」の意味・使い方(例文)|「ご容赦・失礼・非礼」との違い・類語

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「追求」「追及」「追究」の違い・使い分け方|意味・使い方・類語まとめ

「ご無礼」という言葉を見聞きしたことはありますか?

「とんだご無礼を」「無礼者!」といった使い方が真っ先に思い浮かんだ方も多いかもしれません。「ご無礼」はかしこまった場面で使うことが多く、日常生活ではあまり使わない言葉ですよね。

ここでは「ご無礼」の正しい意味や使い方をご紹介します。似たような場面で使う「ご容赦」「失礼」「非礼」との違いも、ぜひ一緒にマスターしてくださいね。

「ご無礼」の意味

「ご無礼(ごぶれい)」の「無礼」の意味は、「礼儀にはずれること。失礼。不躾 (ぶしつけ) 。無作法」です。この「礼儀」とは、「人間関係や社会生活の秩序を維持するために人が守るべき行動様式。特に、敬意を表す作法」です。

つまり、「無礼」とは相手に対する敬意を欠いている言動を表します。主に目上の人に対する態度を指しており、無遠慮、横柄、侮辱的といった態度がそれに当たります。

「ご無礼」の使い方(例文つき)

「ご無礼」は、謝罪もしくは目上の人へ意見する際のクッション言葉として使います。

まず、謝罪として使う場合、「ご無礼をお詫びいたします」「ご無礼をお許しください」「ご無礼いたしました」といった言い回しで使用します。これらは、一般的な謝罪のフレーズ「すみません」「失礼いたします」に比べて丁寧な言い回しです。

「無礼」を使った謝罪のフレーズには、「無礼の段」もあります。

「無礼の段」の「段(だん)」の意味は、「ある事柄をそれとさす語」です。「段」は内容をまとめて体言化したものなので、「無礼の段」で「無礼なこと」という意味となります。主に手紙や文書で使われる言い回しです。

次に、クッション言葉としての「ご無礼」の使い方です。

クッション言葉としては一般的に「ご無礼を承知で申し上げますが」という形で用います。「敬意を欠いているとはわかっていますが」という意味合いで、目上の人相手やかしこまった場面で、自分の意見や依頼を伝える際に使用します。

ちなみに、熊本県・愛知県・岐阜県では「ご無礼します」という方言が使われています。

「ご無礼します」は「失礼します」といったニュアンスで使い、礼儀にはずれているというほど強い意味合いはありません。

「ご無礼」を使った例文は、以下の通りです。

【例文】

  • この度の弊社社員の態度につきまして、ご無礼をお詫びいたします。
  • 突然ご案内を差し上げるご無礼をどうかお許しください。
  • この度は事前のお約束もなく伺ってしまい、ご無礼いたしました。
  • 先日の無礼の段お許しください。
  • ご無礼を承知で申し上げますが、コスト面を重視するとB社の提案の方が現実的かと思います。

「ご無礼」の敬語

「ご無礼」の「ご」は、敬語の接頭辞です。

接頭辞「ご」は漢字で「御」と書き、名詞に付いて尊敬語・謙譲語・美化語のいずれかを作ります。どの働きを持つかは、文脈によって判断します。

「ご無礼」は、自分の無礼な態度を指した言葉です。したがって、尊敬語ではありません。「ご無礼」は無礼という行為が向かう先である相手を立てるための謙譲語、もしくは言葉を丁寧にした美化語のどちらかと言えます。

「ご無礼」と「失礼」「非礼」「ご容赦」との違い

「ご無礼」と似た言葉に、「失礼」「非礼」「ご容赦」があります。それぞれの語の、「ご無礼」との違いをみていきましょう。

「失礼」との違い

「失礼(しつれい)」の意味は、「他人に接する際の心得をわきまえていないこと。礼儀に欠けること。失敬」です。「無礼」と「失礼」は、礼儀を心得ないという意味では同じです。しかし、この二つの語は意味合いが異なります。

「無礼」と「失礼」の違いは、漢字に着目すると理解しやすくなります。「失礼」は「礼を失する」と書くことから、「本来は礼儀をわきまえているけれども、つい礼儀からはずれてしまった」というニュアンスで用います。

「失礼」は目上の人や同僚、目下と幅広い相手に使うことが可能です。ビジネスシーンにおける「失礼」の使い方は、「失礼ですが」と問いかける、「失礼しました」と詫びる、「お先に失礼」と別れる、といったように様々なシーンで用いられます。

「失礼」は「ご無礼」と違って、敬語の接頭辞「ご(お)」が付けられないため注意しましょう。

「非礼」との違い

「非礼(ひれい)」の意味は、「礼儀にそむくこと」です。

「非」は否定を表す助字で、「道理に反すること。正しくないこと」という意味を持っています。「非礼」は「無礼」「失礼」以上に礼儀を失している度合いが強い表現です。

ビジネスシーンにおいて「非礼」は、お客様や取引先への謝罪、始末書を書くレベルの重大なミスを犯した時などに用います。

「非礼」も「失礼」同様、敬語の接頭辞「ご(お)」は付けられません。

「ご容赦」との違い

「ご容赦(ごようしゃ)」の「容赦」の意味は、「ゆるすこと。大目に見ること」です。

「ご無礼」「ご容赦」のどちらも「ご無礼いたしました」「ご容赦ください」と謝罪の際に使うことができる語です。しかしながら、「ご無礼」が自分の礼を欠いた言動を認める形で婉曲的に謝罪の意を伝えるのに対して、「ご容赦」は「ゆるしてください」と直接的に相手に許しを請うフレーズとなります。

「ご容赦ください」は謝罪のフレーズとしては、比較的軽い表現です。重大な過失の場合は、別のフレーズに言い換えるのがふさわしいでしょう。

「ご無礼」の類語・言い換え表現

「ご無礼」の類語には、以下のようなものがあります。

【類語】

  • 失敬(しっけい):人に対して礼を失した振る舞いをすること。失礼。無礼。
  • 無作法(ぶさほう):礼儀作法にはずれていること。
  • 不躾(ぶしつけ):礼を欠くこと。無作法なこと。無礼。

「ご無礼」以外のお詫びの言葉

「ご無礼」を使わないお詫びの言葉には、以下のようなものがあります。

【お詫びの言葉】

  • 申し訳ございません:弁解の余地がない。
  • 面目(めんぼく)次第(しだい)もございません:申し訳が立たず顔向けできない。
  • お詫びの言葉もございません:あまりの申し訳なさに言葉で表現できない。

さいごに

ここまで「ご無礼」についてご説明してきましたが、いかがでしたか。

「ご無礼」の意味は、「相手に対する敬意を欠いているような言動を指す語」です。敬語の接頭辞「ご」がついて、自分の無礼な言動を指す謙譲語、もしくは美化語のどちらかを表します。「ご無礼」は謝罪やクッション言葉として使うことができます。

ビジネスシーンにおいて、無遠慮、横柄、侮辱的といった礼を欠く言動は厳禁です。また、そうした言動に対する謝罪は、非常に気を使います。

「ご無礼」を使った謝罪は、一般的な謝罪「すみません」「失礼いたしました」に比べて丁寧な印象を与えることができます。場面に適した謝罪ができるよう、このページを参考にしていただければ幸いです。

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