「併せて」の意味・使い方|「合わせて」との違いを徹底解説

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「先方」の意味と使い方|敬語表現とメール例文集つき

「併せて」という言葉は、日常生活ではあまり見かけませんよね。

馴染みが薄い方もいらっしゃるかと思いますが、「併せて」はビジネスシーンでは頻繁に使われる言葉のひとつです。

ここでは「併せて」の意味や使い方をご紹介します。混同しがちな「合わせて」との違いについてもご説明します。

ぜひこの機会に「併せて」の正しい使い方をマスターしてくださいね。

「併せて」の読み方・意味

「併せて(あわせて)」の意味は、「その上さらに。同時に」です。

「併せて」は動詞「併せる」に助詞「て」がついてできたものです。接続詞的に使うことで、「それとともに」といった意味合いで、ある物事と並行して他の物事を行うことを指します。

「併せて」の使い方(例文つき)

ビジネスメールでよく使われる「併せて」の言い回しをいくつかご紹介します。

併せてお願い申し上げます

「併せてお願い申し上げます」は、「同時に、よろしくお願いします」という意味で用います。

「お願い申し上げます」は、目上の人に何かを依頼する際の謙譲表現です。「併せてお願い申し上げます」の形で使うことで、本来の要件に加えて、追加でさらに何かをお願いがある場合に使うフレーズとなります。

「併せてお願いします」を使った例文は、以下の通りです。

【例文】

  • 先日は、ご指導ありがとうございました。完成資料をお送りしますので、内容のご確認を併せてお願い申し上げます。
  • 先日はお忙しい中、足を運んでくださりありがとうございました。次回開催時もぜひご協力いただけますよう、併せてお願い申し上げます。
  • この度は、お問い合わせありがとうございました。お持ちの商品とは仕様が異なる商品も出ておりますので、併せてご検討お願い申し上げます。

併せて御礼申し上げます

「併せてお礼申し上げます」の意味は、「同時に、お礼を言わせてください」です。

「御礼申し上げます」は、目上の人にお礼を伝える際の謙譲表現です。「併せて御礼申し上げます」の形で使うことで、感謝の言葉を付け加えることができます。

「併せて御礼申し上げます」を使った例文は、以下の通りです。

【例文】

  • 御礼のしるしに心ばかりのお品をお送りさせていただきました。先日のご尽力につきましても併せて御礼申し上げます。
  • この度は資料のご送付ありがとうございました。サンプルを添えていただきましたこと、併せて御礼申し上げます。
  • 異業種交流会の開催日が決まりましたので、詳細をお送りします。参加者を募っていただきましたこと、併せて御礼申し上げます。

併せてお詫び申し上げます

「併せてお詫び申し上げます」の意味は、「同時に、お詫びいたします」です。

「お詫び申し上げます」は、目上の人に対する謝罪の謙譲表現です。本来の要件と、それに関連する事柄についてさらに謝罪する必要がある場合に、「併せてお詫び申し上げます」を使います。「併せてお詫び申し上げます」の前には、謝罪する内容についての一文を入れましょう。

「併せてお詫び申し上げます」を使った例文は、以下の通りです。

【例文】

  • この度は私どもの不手際でご迷惑をおかけしてしまい、誠に申し訳ありませんでした。その後の対応が遅れましたこと、併せてお詫び申し上げます。
  • 先日は弊社のレンタル機器の故障によりご不便をおかけして大変申し訳ありませんでした。また、お問い合わせ時のスタッフの対応につきましても併せてお詫び申し上げます。
  • この度は契約内容に不備があったとのことで、誠に申し訳ありませんでした。お名前の表記にも誤りがありましたこと、併せてお詫び申し上げます。

併せてご確認ください

「併せてご確認ください」の意味は、「同時に、確認をお願いします」です。

「併せてご確認ください」は、何かを報告し、それについて相手に確認してほしい事柄があるときに使います。

「併せてご確認ください」を使った例文は、以下の通りです。

【例文】

  • 発注いただきました商品を、本日発送いたしました。同封いたしました明細も、併せてご確認ください。
  • 会議の時間が変更となりました。開催場所やご持参品リストも併せてご確認ください。
  • こちらにご希望に合う商品を何点かご用意いたしました。実際の色味や感触も併せてご確認ください。

併せてご連絡いたします

「併せてご連絡いたします」の意味は、「同時に、連絡します」です。

「併せてご連絡いたします」は、本来の要件に付け加える形で、さらに相手へ何かを連絡事項があるときに使います。

「併せてご連絡いたします」を使った例文は、以下の通りです。

【例文】

  • コンペの詳細が決定いたしました。要件につきましても併せてご連絡いたします。
  • 先日は最新機器のご紹介ありがとうございました。購入を検討するにあたり、実物を拝見したく併せてご連絡いたしました。
  • 今年度新入社員の広報課配属が決まりました。OJTの期間や指導役についても併せてご連絡いたします。

併せてご利用ください

「併せてご利用ください」の意味は、「それとともに、利用してください」です。

「併せてご利用ください」は、既に何かを利用している人に対して、さらに別のものの利用をお願いしたい場合に用います。

「併せてご利用ください」を使った例文は、以下の通りです。

【例文】

  • この度は、弊社商品のお買い上げありがとうございました。各種オプションもご用意しておりますので、併せてご利用ください。
  • 契約期間満了に伴い、社内グループウェアを変更しました。タブレットやスマートフォンにも対応しているので、そちらも併せてご利用ください。
  • 来月の歓送迎会について、参加可否を今週中にお知らせください。なお、参加表明は下記URLからも可能です。併せてご利用ください。

「併せて」と「合わせて」の違いと使い分け方

「併せて」と「合わせて」は辞書では同じ見出しにまとめられていますが、実際には意味と使い方が異なります。

まず、意味に注目してみましょう。

「併せる」は、複数のものを並行して同時に行うことを指します。対する「合わせる」の意味は、「いっしょにして。全部で。」です。例えば、「二つ合わせて一万円」「予定を合わせる」といったように、「合計で」「一致させて」といった意味合いで複数をひとつにまとめることを指します。

次に、使い方に注目してみましょう。

接続詞的に用いるのが「併せて」、副詞的に用いるのが「合わせて」です。

「併せて」は「その上さらに」という意味合いで、文章と文章や句と句をつなぐために使います。一方の「合わせて」は、動詞や形容詞を修飾するために用いる語です。

「併せて」と「合わせて」の使い分けに迷った際は、ひらがなで「あわせて」と書いて差し支えありません。「併せて」は常用漢字ではあるものの、読みやすさに配慮してあえて「あわせて」とひらがなで表記する場合もあります。

「併せてお願い」と「重ねてお願い」の違い

「併せてお願い」と「重ねてお願い」とでは、お願いする内容が異なります。

「併せてお願い」は、あるお願いをした上で、さらに別のお願いを追加するときに用います。それに対して、「重ねてお願い」は同じお願いを再度繰り返すことを指します。

「重ねて(かさねて)」の意味は、「同じことを繰り返すさま」です。つまり、メールでお願いしたことをもう一度口頭でもお願いする、といったように念を押したい時に用いる表現となります。

「併せて」の言い換え表現

「併せて」の言い換え表現には以下のようなものがあります。

【言い換え表現】

  • ついでに:あることをする、その機会を利用していっしょに。
  • それとともに:あることに伴って、別のことが同時に起こるさま。
  • 傍ら(かたわら):主となることをする一方。合間に。

さいごに

ここまで「併せて」についてご説明してきましたが、いかがでしたか。

接続詞的に使う「併せて」の意味は、「同時に」です。本来の要件に何か付け足したいときに使うフレーズで、ビジネスシーンでは主に「お願い申し上げます」「御礼申し上げます」「お詫び申し上げます」といった文章を続けます。

ビジネスシーンでは、一度の連絡でいくつもの用件を伝えなければならないシーンがありますよね。そんなときに「併せて」を使うと、文章が読みやすくなりぐっと理解しやすくなりますよ。

相手がスムーズに要件をくみとれるよう、「併せて」を上手に使いこなせるようになるとよいですね。

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