「案件」の意味・使い方(例文)|「事案」との違い、類語・言い換え表現

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「ご心労お察しします」の意味・使い方|メール例文・類語まとめ

「案件」という言葉は、ビジネスシーンでは頻繁に使われます。

「あの案件どうなった?」「いい案件があるんだけど」などなんとなく使っている方も多いかと思いますが、よく使われる言葉だからこそ正しく意味を把握しておきたいですよね。

ここでは「案件」の意味や使い方、そしてよく似た「事例」との違いをご紹介します。

この機会に、是非「案件」の正しい意味を確認してみてくださいね。

「案件」の意味

「案件(あんけん)」の意味は、「問題となっている事柄。審議しなければならない事柄」です。

ビジネスシーンにおいて、「案件」は大きく分けて3つの意味で使います。

  • 今現在、問題となっている事柄。対応している事柄。
  • これから審議・調査・解決をしなければならない事柄
  • 訴訟になっている箇条。訴訟事件。

「案件」を3つ目の「訴訟事件」という意味で使うのは裁判に携わる業務の方で、法律関係もしくは警察関係の方がほとんどです。それ以外の業種では、「案件」を現在進行中もしくは今後問題となる事柄を指す言葉として用います。

なお、「案件」は話題となっている事柄を指して使う語です。したがって、誰も知らない事柄を「案件」とは呼びません。また、問題の中身は関係なく、あくまでも問題そのものを指す語となります。

「案件」の使い方(例文つき)

ビジネスシーンでは、現在進行中や未解決、未完了の事柄をまとめて「案件」の一言でいい表すことができます。具体的には、「課題」や「業務」、「トラブル」、「プロジェクト」などの言葉を「案件」と言い換えることが可能です。状況に応じて使い分けましょう。

「案件」はビジネス向きの硬い表現なので、日常生活ではあまり使われません。日常生活では、より馴染みのある「あの件」「あの話」「あの事」といった表現を使うのが無難です。

ビジネスパーソンが目にする「案件」を使った言葉には、オンラインでプロジェクトを共有・管理する「案件管理ツール」や、より専門性の高い人材募集の告知を指す「求人案件」といった単語があります。なお、近年ではインターネット上の俗語として、感情が高ぶった事柄を発信する際に「~の件について」の意味で「~案件」を使う事例も見受けられます。

さて、もし自分が何か依頼の案件を持ち掛けられたとします。その案件を断りたいときはどのように返事をするのが適切なのでしょうか。

まず、案件を依頼してもらったことへの感謝の気持ちを述べます。次に、案件を断る旨を明確に伝え、最後にお詫びの一言を添えます。基本的にはこの流れで差し支えないですが、この時さらに「〇日以降であればお引き受けできます」「次の機会があればまたご紹介いただけると幸いです」などの言葉を添えると「なんとかお引き受けしたい」「都合が許せば依頼を是非受けたかった」というニュアンスを伝えることが可能です。案件を断る際は、マナーとして早めに返事をしましょう。これは依頼者が代わりに引き受けてくれる人を探さなければならないためです。

「案件」を使った例文は、以下の通りです。

【例文】

  • 先月からスタートしたこの案件ですが、進捗状況が芳しくありません。よりスピード感をもって取り組んでください。
  • 大変恐縮ですが、現在他にもいくつかの案件を抱えているため、ご依頼いただいた件については対応が難しいのが現状です。
  • 本案件へのご理解、ご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。
  • 重要案件が発生しました。天候不良の影響で、商品の納品日に遅れが出る見込みだそうです。
  • 我が部でも進捗状況を可視化するために、案件管理ツールを導入することにしました。
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「案件」と「事案」との違い

「事案」の意味は、「問題になっている事柄」です。

「案件」と「事案」は辞書上ではまったく同じ意味を表しますが、実際には使い分けられています。

既に具体的に動き出している事柄が「案件」、それ以前のまだ検討段階にあるものは「事案」です。また、これから問題に発展する恐れがある「案件」を「事案」と表現することもあります。事件になりそうなケースや不審者情報を「事案」と表現し、注意喚起が行われているのを見聞きしたことがある方もいらっしゃるかと思います。

「事案」の段階ではまだ具体的な処理や対応をする必要はありませんが、事態が進んで「案件」の段階になると何らかの対応が必要となるのです。

「案件」の類語・言い換え表現

「案件」の類語には、以下のようなものがあります。

【類語】

  • 問題:批判・論争・研究などの対象となる事柄。解決すべき事柄。困った事柄。世間が関心をよせているもの。
  • 課題:解決しなければならない問題。果たすべき仕事。
  • 事例:前例となる事実。具体的な実例。
  • プロジェクト:企画。計画事業。研究開発計画。
  • ケース:個々の事例。場合。

「案件」は職業や使用するシーンによって意味が異なります。そこで、上に挙げたような類語に置き換えることで、より正確に意図を伝えることが可能になります。「案件」の類語も一緒にマスターしておきましょう。

さいごに

ここまで「案件」についてご説明してきましたが、いかがでしたか。

「案件」は主に、今現在もしくは将来的に問題となる事柄を指します。まだ進行していない検討段階の事柄については「事案」と表現し、「案件」とは使い分けられています。なお、「案件」には「訴訟事件」という意味もあります。法律関係者や警察関係者の間ではこちらの意味で使うこともあるため、文脈や状況による判断が必要です。

「案件」という言葉は、「業務」や「課題」、「トラブル」といった様々な事柄をまとめて言い表すことができます。ビジネスシーンでは非常に重宝する語のひとつです。

そんな便利な「案件」という言葉を、この記事を参考に積極的に活用していただければ幸いです。

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