「相変わらず」の意味・使い方|類語・敬語表現も徹底解説

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「相変わらず」の意味・使い方|類語・敬語表現も徹底解説

「相変わらず」は日常生活において頻繁に使う言葉のひとつです。非常に親しみあるフレーズですが、ビジネスシーンでも「相変わらず」というフレーズは問題なく使えるのでしょうか。

ここでは「相変わらず」の正しい意味や使い方をご紹介します。類語や適切な敬語表現についてもまとめましたので、ビジネスシーンで使うにはどのような表現が適切なのか、この機会に是非マスターしてくださいね。

「相変わらず」の意味

「相変わらず(あいかわらず)」の意味は、「今までと変わったようすが見られないさま。以前と同じように」です。

「相変わらず」の「相」は語勢や語調を整える役割を持っています。

「相変わらず」は、ポジティブな文脈とネガティブな文脈のどちらでも使うことができる言葉です。しかし、ネガティブな文脈で用いると一層悪い印象になってしまうため、人に対して使う際はポジティブな文脈で用いた方が無難です。日常生活でよく用いられる場面のひとつとして、友人知人としばらくぶりに再会した場面が挙げられます。

「相変わらず」は副詞であり、基本的には動詞・形容詞・形容動詞を修飾するための言葉です。しかしながら、「相変わらず」に助詞「の」を付けることで名詞も修飾できるようになります。つまり、「相変わらずの」という形をとることで、「相変わらずの貧乏暮らし」といった使い方が可能になります。さらに、「相変わらず」に「だ」や「です」を付けることで、「相変わらずですね」といったように述語として使うこともできるようになります。

「相変わらず」を使った例文は、以下の通りです。

【例文】

  • 相変わらず:相変わらずこの部屋は冷房の効きが悪い。
  • 相変わらずの:相変わらずの貧乏暮らしだけど、これはこれで楽しくやっている。
  • 相変わらずだ:15年ぶりに同窓会に来てみたけど、皆相変わらずだなぁ。

「相変わらず」の使い方

「相変わらず」はくだけた表現なので、ビジネスシーンでは避けた方が無難です。目上の人や取引先を相手にする際は丁寧な表現を使わなければならないため、類語の「お変わりなく」「やはり」「なおも」に言い換えると良いでしょう。

ただし、ビジネスシーンであっても自分に対しては丁寧な言葉遣いをする必要はないため、「相変わらず」のフレーズを使うことができます。自分の変わらない状態を指して「相変わらず」を使うと、謙遜している様子を表現することができます。このように、ビジネス上では使う対象に気を付けて「相変わらず」を使いましょう。

「相変わらず」を使った例文は、以下の通りです。

【例文】

  • 相変わらずお元気そうで何よりです。
  • 皆が成長期を迎えるなか、私は相変わらず背が小さいままだ。
  • おかげさまで、相変わらず忙しくさせていただいております。

日常生活でよく使うフレーズのひとつに「相変わらずお元気そうで何よりです」というものがあります。

ビジネスシーンにそぐわない「相変わらず」という言葉を含んだこの文を、どのように直したらビジネスシーンで使えるようになるでしょうか。ビジネスシーンではこのような場合、「益々ご清栄のことと心よりお喜び申し上げます」「ますますご清祥のこととお喜び申し上げます」などのフレーズが定型句として頻繁に使われています。

「お元気そうで何よりです」に相当する「清栄」「清祥」は、どちらも相手の無事や繁栄、健康を喜ぶための挨拶の言葉です。「ますます」の意味は「程度が一層はなはだしくなるさま」なので、以前と変化がないことを指す「相変わらず」とは意味が異なります。「相変わらず」は受け取る人によっては「停滞している」「進歩がない」「代り映えがない」といったネガティブな印象を持たれかねません。

そのため、ビジネスシーンにおいては以前より調子が上がっているというポジティブなニュアンスを含めた「ますます」を好んで使います。その方が、相手の印象が良くなり、その後のやりとりがスムーズになります。手紙やメールなどかしこまった文章を書く際は、「相変わらずお元気そうで何よりです」ではなく「益々ご清栄のことと心よりお喜び申し上げます」などを使いましょう。

「相変わらず」の類語

「相変わらず」の類語には、以下のようなものがあります・

【類語】

  • いつも通り
  • 今も昔も
  • 相も変わらず
  • お変わりなく
  • やはり
  • なおも

「お変わりなく」「やはり」「なおも」は、ビジネスなどのフォーマルなシーンでも使うことができる言葉です。また、「相も変わらず」は「相変わらず」を強めた言い方で、主に否定的な事柄について言及する際に用います。こうした類語それぞれの特性も覚えて、適切に使い分けましょう。

さいごに

「相変わらず」の意味は、「今までと変わったようすが見られないさま」です。

くだけた表現でビジネスシーンには不向きなため、「お変わりなく」といった類語に置き換えた方が無難でしょう。また、人によっては「相変わらず」に対して「進歩がない」というネガティブ印象を持っています。ビジネスにおける手紙やメールといった挨拶文では、ポジティブな「ますます」を使いましょう。

「相変わらず」は日常的に使われる言葉ですが、カジュアル向きの表現であり、ビジネスシーンでは慎重に使いどころを見極める必要があります。目上の人や取引相手に失礼にならないよう、今一度この記事を読んで正しい使い方を確認してみてください。

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