ビジネスシーンでは、頻繁に「送付」という言葉を使いますよね。
資料の送付、見積書の送付といったように、何かを相手に送るときや送ってもらうときに使う言葉です。普段何気なく使っている「送付」ですが、「添付」「郵便」「発送」との違いはご存知でしょうか。
ここでは、「送付」の意味や使い方をご紹介します。
類語や反対語についてもご紹介しますので、ぜひこの機会にマスターしてくださいね。
目次
「送付」の読み方・意味
「送付(そうふ)」の意味は、「送り届けること。送りわたすこと」です。
ビジネスシーンでは、品物や書類などを別の場所に運び送る際に「送付」を使います。
なお、「付」には「与える。渡す」という意味があるため、「送付」は「送る」だけでなく「届ける」という意味も含みます。
よって、「送付日」は到着日を指します。送る手配をした日を指す言葉ではないため、混同しないよう注意しましょう。
「送付」の使い方(例文つき)
「送付」は、自分が送る場合と相手に送ってもらう場合の両方で使うことができる言葉です。
「送付」の敬語は「ご送付」で、謙譲語もしくは尊敬語として用います。
相手に自分宛へ何かを送ってもらう際の言い回しとして、尊敬語の一般形「ご~くださる」に当てはめた「ご送付ください」があります。ビジネスシーンでも「ご送付ください」で問題ありませんが、より柔らかく送付を依頼するには「ご送付願います」とするのがよいでしょう。また、自分から相手へ何かを送る際には、謙譲語の一般形「ご~いたす」に当てはめて「ご送付いたします」とするのが一般的です。
謙譲語「ご送付」は、一言で「拝送」と言い換えることもできます。「拝送」自体が謙譲語のため、敬語の接頭辞「ご」は付きません。
「送付」を使った例文は以下の通りです。
【例文】
- 資料は一両日中にメール添付にてご送付いたしますので、必ずご一読ください。
- 差し支えなければ、本日お問い合わせいただいた内容について詳しいご案内をご送付いたします。
- お忙しいところ恐縮ですが、見積書は一週間以内を目処にご送付願います。
- 請求書は私宛にご送付くださいますようお願い申し上げます。
- ご送付いただきました書類の内容について、三点確認がございます。
「送付状」の書き方
「送付状」とは、物品や書類を送付する際に添える書類のことです。「送付状」の言い方には他にも、挨拶状・送り状・添え状・カバーレターなどがあります。
一般的に送付状には、時候の挨拶に加えて送付者や送付日、送付するものの品目や数といった明細を記載します。ビジネスシーンにおいては、発送者と受領者の双方で中身を確認できるよう送付状を同封するのがマナーです。
ここでは、そんな送付状の書き方をご紹介します。
郵便の場合
郵送で物品や書類を送る際の送付状には、以下を記載します。
- 発送年月日
- 送付先の会社名・住所・電話番号・部署名・担当者名
- 発送元の会社名・住所・電話番号・部署名・担当者名
- 頭語・結語
- あいさつ文
- 送付内容・備考
ビジネス文章としての体裁を整えるために、「拝啓」「敬具」といった頭語・結語、「貴社益々ご隆盛のこととお喜び申し上げます」といった挨拶文をしっかりと記載しましょう。なお、発送年月日と発送元の情報は右寄せで書くようにします。
FAXの場合
FAXで書類を送る際の送付状には、以下を記載します。
- 送信年月日
- 送信先の会社名・住所・電話番号・部署名・担当者名
- 送信元の会社名・住所・電話番号・部署名・担当者名
- 送信枚数
- 送付内容・備考
FAXの場合は、送信時に抜けがないよう必ず送信枚数を明記します。また、郵送における送付状とは異なり、頭語や結語、かしこまったあいさつ文は不要です。挨拶は簡潔に「いつもお世話になっております」程度にとどめ、手短に要件を伝えましょう。
具体的な書き方は「FAX送信状の書き方(例文つき)」をご覧ください。
メールの場合
メールでファイルを添付する際は、本文に送付状として以下を記載します。
- 送信先の会社名・部署名・担当者名
- あいさつ文
- 送付内容・備考
- 署名:送信元の会社名・住所・電話番号・部署名・担当者名
メールの場合、送信先の情報は相手にとって自明なので省略します。さらに、送信元の情報については、署名として文末に記載します。署名には、何かあった場合に相手がすぐに問い合わせできるよう住所や電話番号まで書いておくとよいでしょう。
件名は「〇〇ご送付の件」といったように要件を簡潔に提示し、添付ファイルの名前もわかりやすいものにします。
メールの具体的な書き方を例文で確認したい方は「ビジネスメールの例文集」をご覧ください。メールの用件別にまとめてますので参考にしてくださいね。
「送付」と「添付」「郵送」「発送」との違い
「送付」と似た言葉に「添付」「郵送」「発送」があります。「送付」とこれらの違いをみていきましょう。
「添付」との違い
「添付(てんぷ)」の意味は、「書類などに、付け添えること」です。
「送付」は物品や書類そのものを送り届けることが目的なのに対し、「添付」はあくまで補足的に付け加えることを指します。例えば、案内状を送付する際に地図を添付する、商品を送付する際に領収書を添付する、といったように「添付」は補うような役割のものを添える時に使います。
ビジネスシーンでは、メールにファイルを付け添える際にも「添付」を用います。
「郵送」との違い
「郵送(ゆうそう)」の意味は、「郵便で送ること」です。
「送付」は送り届ける手段を問いませんが、「郵送」では送る手段は郵便に限られます。さらに、「郵送」の意味に含まれるのは「送る」ことのみで、「届ける」という意味はありません。したがって、「郵送日」とは郵送手続きをした日を指します。
「発送」との違い
「発送(はっそう)」の意味は、「荷物や郵便物を送り出すこと」です。
「送付」は目的の場所に向けて送り出し、届けることを意味します。一方の「発送」は、宛先や到着するか否かを問わず、単に送り出す動作のみを表した語です。
よって、「発送日」とある場合には、発送手続きをした日を指します。
「送付」の類語
「送付」の類語には、以下のようなものがあります。
【類語】
- 送り届ける:送って目的の所へ届ける。
- 差し出す:送り出す。発送する。
「送付」の反対語
「送付」の反対語には、以下のようなものがあります。
- 受け取る:受けて取る。渡されたものを受け収める。
- 受領(じゅりょう):物や金を受け取ること。
- 拝受(はいじゅ):受けること、受け取ることをへりくだっていう語。
さいごに
ここまで「送付」についてご説明してきましたが、いかがでしたか。
「送付(そうふ)」の意味は、物品や書類を「送り届けること」です。
送付状は、双方にとって送付物が正しく届いているかの確認となるため、ビジネスシーンでは添付するのがマナーです。そのため、紙・FAX・メールといった様々な媒体で送付状を送る機会があるかと思います。
このページを参考に、「送付」という言葉の使い方だけでなく、スムーズに送付状が作成できるようになることを応援しています。