「早速ですが」の正しい使い方はご存知ですか?
会話やビジネスメールといった様々な場面で使われているフレーズですが、あなたは正確な意味や使い方は理解できていますか?
ここではビジネスシーンにおける「早速ですが」の意味や使い方、類義語をご紹介します。ビジネスメールの例文集もご紹介するので参考にしてくださいね。
目次
「早速ですが」の意味・使い方
まずは「早速ですが」の意味や使い方をご紹介します。
「早速」の意味
「早速」は「すみやかなこと。すぐ行うこと」という意味です。
「ですが」は前に述べた事柄と反対の関係の内容を述べる言葉「だが」を丁寧にした言葉です。
つまり「早速ですが」は「短い挨拶ですみませんが、今からすぐ本題に入らせていただきます」という意味を持ち、スムーズに本題に入るための前置きとして使う言葉です。
「短い挨拶は失礼にあたるとわかっているものの、敢えてそうさせていただきます」というニュアンスを含んでいます。
なお、近しい上司に対しては挨拶を省略しても構わないので、「早速ですが」の使用は差し支えありません。
「早速ですが」の使い方
先ほど述べた通り、「早速ですが」は会話や手紙において挨拶から本題へスムーズに移るための前置きとして使われます。ビジネスシーンでも多用されている表現であり、会話やメールで使うことができます。
ビジネスではお互いに貴重な時間を割いているからこそ、長々とした挨拶で時間を浪費することなく「早速ですが」と早々に本題に入ることがふさわしいと言えます。
ただし、ビジネス文書では、「早速ですが」という表現は向きません。なぜなら、ビジネス文書では元々手紙のように長々とした挨拶文は書かず、すぐに本題に入るシンプルな文章であることが多いからです。要件がすぐに飲み込めるよう回りくどい表現を避ける性質から、そもそも「早速ですが」を使う機会がないのです。
【例文】
- 早速ですが、お尋ねの件につきまして参考となる資料をお持ちしました。
- 早速ですが、これまでの進捗状況についてご報告いたします。
- 早速ですが、一緒にランチでもいかがでしょうか。
「早速ですが」を使ったビジネスメールの例文集
資料送付の案内メール
件名:資料送付のご案内 株式会社〇〇〇〇 平素より大変お世話になっております。 早速ですが、ご依頼いただきました資料を ―――――――――――――― お手元に届きましたら内容をご確認いただきますよう ご不明な点やご質問など御座いましたら、 上記につきまして何卒宜しくお願い申し上げます。 ==================== |
飲み会の確認メール
件名:【要返信】〇月〇日忘年会のお知らせ 営業部各位 日々の業務お疲れ様です。営業二課の△△です。 早いもので今年も残すところあと僅かとなりました。 早速ですが、親睦と交流を兼ねた営業部全体の忘年会を ■忘年会の詳細 出欠の連絡はメール返信にて12月〇日(〇)までにお知らせください。 尚、参加のキャンセルは2日前(12月〇日)午前中までに それ以降のキャンセルは会費(4,000円)が発生しますので 年末のお忙しい時期ではありますが、 何卒宜しくお願い申し上げます。 ==================== |
faxの依頼メール
件名:fax送付のご依頼 株式会社〇〇〇〇 いつも大変お世話になっております。 この度はお忙しい中、ご来社いただき 早速ですが、〇〇様よりご提案いただいた商材について、 つきましては契約に関する書面を確認致したく存じます。 下記に記載のfax番号まで、契約書面のご送付をお願い致します。 ■送信先 お手数をおかけしますが、 ==================== |
「早速ですが」の類語・言い換え表現
つづいては、「早速ですが」の代わりに使える類義語を紹介します。
「早速ですが」を使った例文と、類義語に置き換えた例文を見比べてみてください。「早速ですが」とワンパターンを避けるためにも、様々な言い換え表現を覚えましょう。
話題を転換するとき
簡単な挨拶の後に本題へと話題を転換する時、「早速ですが」に代えて使うことができる言葉に「さて」と「ところで」があります。
こうした話題転換のフレーズを挟むことで、聞く側にも本題に入るためのスイッチが入ります。会話にメリハリをつけるのに便利なフレーズです。
「さて」
「さて」は会話だけでなく、文書でも使用することができます。
【例文】
- 本日はお集りいただきありがとうございます。早速ですが、お手元に資料は渡りましたか。
- 本日はお集りいただきありがとうございます。さて、お手元に資料は渡りましたか。
「ところで」
「ところで」は「さて」と比べて、話題転換の印象が薄い言葉です。さりげなく話題を変えることができるため、和やかな場で使うとよいでしょう。
【例文】
- この度はお忙しい中ありがとうございます。早速ですが、先日のセミナーにはご参加いただけましたか?
- この度はお忙しい中ありがとうございます。ところで、先日のセミナーにはご参加いただけましたか?
本題にすぐ入るとき
挨拶の後すぐに本題へと入る時、「早速ですが」に代えて使うことができる言葉に「つきましては」と「このたび」があります。クッション言葉として用いることで円滑にビジネスを進めることができる便利なフレーズです。
「つきましては」
「つきましては」は「ついては」を丁寧にした言葉で、「したがって。それだから」という意味で使われます。打合せやスピーチなどで使うと良いでしょう。
【例文】
- いよいよコンペが来週に迫ってまいりました。早速ですが、本日はその概要についてご説明したいと思います。
- いよいよコンペが来週に迫ってまいりました。つきましては、本日はその概要についてご説明したいと思います。
「このたび」
「このたび」は「今回。今度」という意味の言葉です。
【例文】
- 本日はお時間割いていただきましてありがとうございます。早速ですが、新製品の発売が決定いたしました。
- 本日はお時間割いていただきましてありがとうございます。このたび、新製品の発売が決定いたしました。
さいごに
ここでは「早速ですが」の意味や使い方を例文つきでご紹介しましたが、いかがでしょうか。
「早速ですが」は本題に入るための前置きとして使われる言葉です。「短い挨拶は失礼にあたるとわかっているものの、敢えてそうさせていただきます」という意味で使われます。
ビジネスシーンにおいても多用されている表現であり、会話やメールでの使用は問題ありませんが、ビジネス文書には不向きです。なぜなら、ビジネス文書は要件がすぐに飲み込めるよう回りくどい表現を避ける性質があり、そもそも「早速ですが」を使う機会がないからです。
この機会に覚えておいてくださいね。