「今しばらくお待ち下さい」の意味や使い方はご存知ですか?
ビジネスシーンに限らず日常生活の中でも見聞きする機会のある言葉ですよね。
ここでは「今しばらくお待ちください」の意味や正しい使い方をご説明します。メールの例文やビジネスシーンでの言い換え表現についてもお伝えするので参考にしてくださいね。
目次
「今しばらくお待ち下さい」の意味
「今しばらくお待ちください」は、相手に待つことをお願いするフレーズです。
「今しばらく」の「今」の意味は「さらに。そのうえ。もう」であり、「しばらく」は「すぐではないが、あまり時間がかからないさま。少しの間。しばし」を意味します。
つまり、「今しばらくお待ちください」とは「今すぐではないけれど、もう少しの間待ってください」という意味となります。
相手に待ってもらうものの、待ち時間がそれほど長くないことを伝えるときの表現です。
ビジネスにおいて、時間は貴重なもの。「お待ちください」とただ漠然と待たされるよりも、状況によっては「今しばらく」をつけて、待ち時間の目処がつくようにすると親切です。
「今しばらくお待ち下さい」の使い方
「今しばらくお待ちください」の「お待ちください」は「待つ」に尊敬語「お~ください」を組み合わせたフレーズであり、単独で使っても差し支えない丁寧な表現です。
しかしながら、「お待ちください」だけでは待つことを強制するようなぞんざいなニュアンスがあります。そこで「今しばらく」を付け加えることで、「あと少しだけ待っていてください」と待たせることに対する申し訳なさを言外ににじませることができます。
電話対応や来客の場合など、お待たせして申し訳ないという気持ちを示すためにも、相手を待たせそうな場面では積極的に「今しばらくお待ちください」と断りを入れましょう。
「今しばらくお待ちください」を使った例文は以下の通りです。
【例文】
- ただいま開店準備中です。今しばらくお待ちください。
- 田中は現在電話応対中です。今しばらくお待ちください。
- 今しばらくお待ちください。すぐに詳細なデータがわかる資料をお持ちします。
「今しばらく」はどれくらいの期間?
「今しばらく」がどの程度の期間を指すのか、そこに明確な基準はありません。
前節でご説明したように数秒~数分待たせるときや、概ね数日から一週間程度を想定して使われたりします。
それより長く、相手を一ヶ月やそれ以上待たせる見込みがある場合には、「今しばらく」ではなく「多少お時間をいただきます」「お時間頂戴します」といった表現に変えましょう。
とはいえ、自分が「今しばらく」といって想定する期間と、相手が「今しばらく」と聞いて想定する期間にズレがある場合も考えられます。「今しばらくお待ちください」というフレーズを使う場合には、相手を待たせすぎて失礼にならないよう、具体的に「〇日頃にはお返事いたします」などと伝えたほうが親切です。
「今しばらくお待ちください」を使ったビジネスメール例文
下記例文は、営業マンから商品購入の検討状況を確認するメールを受け取ったときの返信内容です。
件名:Re:ご検討状況のご確認 株式会社〇〇〇〇 お世話になっております。 ご返答が遅くなり申し訳ございません。 来週月曜日に役員会議がありますので、 ご回答まで今しばらくお待ちください。 よろしくお願い申し上げます。 ==================== |
「今しばらく」の類語
「今しばらく」の類語には、以下のようなものがあります。
もうしばらく
「もうしばらく」の「もう」は「あとわずかの時間で、ある事態になるさま。まもなく。やがて。じきに」という意味です。
「今しばらく」が現時点からさらに少しの時間を表すのに対し、「もうしばらく」は本来なら待つのは現時点までのはずだったがさらにもう少しという時間を表します。思っていた以上に時間がかかってしまった場合に使われるフレーズです。
少々
「少々」は「ほんのしばらく。ちょっとの間。」という意味です。一般的に「少々」は数分程度を表します。ほんの少しの間だけ待っていて欲しい時によく使われます。
ここまで紹介した類語を待ち時間の短い順に並べると「少々」「今しばらく」「もうしばらく」となります。相手を想定以上に待たせてしまうことのないよう、適切なことば選びをしましょう。
「今しばらくお待ちください」の言い換え表現
「今しばらくお待ちください」の代表的な言い換え表現をいくつかご紹介します。
今しばらくお待ちいただけますか
「今しばらくお待ちいただけますか」は「今しばらくお待ちください」とよく似ていますが、疑問形にすることで相手の許可を求める言い方になります。そのため、相手を気遣うニュアンスが含まれ、非常に丁寧な言い回しになります。
よく似た間違えやすい敬語表現に「今しばらくお待ちいただけますでしょうか」というものがあります。一見丁寧な言葉遣いですが、「ますでしょうか」には丁寧語の「ます」と「です」が重ねて使われているため、二重敬語という間違った敬語表現となります。
しばしお時間をいただきたく存じます
「しばしお時間をいただきたく存じます」の「しばし」は「少しの間継続するさま。しばらく」という意味です。また「いただきたく」は「もらいたい」の謙譲語、「存じます」は「思います」の謙譲語です。
つまり、「しばしお時間をいただきたく存じます」は「少しの間お時間をもらいたく思います」の敬語表現です。ここで言う「時間」は「相手の時間」を指しています。相手にとって都合の良い時間を少しだけ自分のために割いて欲しいということを、非常に丁寧に言い換えたフレーズです。
少しの間、お時間ください
「少しの間、お時間ください」は多少カジュアルな表現となりますが、シンプルで伝わりやすいフレーズです。
相手との関係性を考えながら使うと良いでしょう。「お待ちください」を「お時間ください」と言い換えることで、待つことを強制するような印象が薄れて柔らかい表現となります。
さいごに
ここでは「今しばらくお待ちください」の意味や使い方についてお伝えしましたが、いかがでしょうか。
ビジネスメールの例文や、類語・言い換え表現についても理解し、場面に応じて使い分けることを心がけましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました!