「辛辣」の意味・使い方・対義語・類語|「辛辣な意見・辛辣な言葉」とは

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「辛辣」の意味・使い方・対義語・類語|「辛辣な意見・辛辣な言葉」とは

突然ですが、「辛辣」という言葉の意味や使い方をご存知ですか?

ニュースや新聞の見出しなどで、「辛辣な言葉」「辛辣な意見」といった使い方をされていますね。

「辛」や「辣」の字面から、楽しい雰囲気や、ポジティブな印象などを受けない言葉ですが、どのような意味をもつのでしょうか。

ここでは「辛辣」の意味や使い方について解説します。類語や対義語も紹介するので参考にしてくださいね。

「辛辣」の意味・使い方

「辛辣」の読み方は「しんらつ」です。「しんそ」や「しんれつ」と読み間違いをする方もいますが、正しくは「しんらつ」なので気をつけましょう。

「辛辣」の意味は「言葉や表現が非常に手厳しいさま」、「味がきわめてからいこと」の2つです。

ビジネスシーンや新聞で見聞きするのは上記のうち、「言葉や表現が非常に手厳しいさま」の意味で使われます。

「辛辣」の「辛」には「味がからい」という意味のほか、「身をつきさすくらいに厳しい。つらく苦しい」という意味があります。「辛苦」や「辛酸」「辛抱」という漢字にも使われる言葉ですね。

また、「辣」には「辣油」をイメージさせる「ぴりりと辛い」という意味のほか、「きびしい。むごい」という意味をもちます。

「辛辣」は、「辛」の「身をつきさすくらいに厳しい。つらく苦しい」と、「辣」の「きびしい。むごい」という意味が合わさり、「言葉や表現が非常に手厳しいさま」を表す語となったのです。

もともと、「辛辣」は「舌をひりひりさせるほどからい」という意味でしたが、そこから派生して、心に刺さるような、手厳しいさまという意味になりました。

「辛辣」は、名詞または形容動詞として使うのが一般的ですが、接頭語をつけて「辛辣さ」ということもあります。

心が折れるような言葉や厳しい意見を投げかけたり、態度が手厳しいときに使う表現です。

【例文】

  • 客席からの辛辣な意見を受け、場の空気が重くなった。
  • 彼女の言葉はいつも辛辣だ。
  • 会議の場では辛辣な意見が飛び交う。
  • 相手が傷つくような批判を投げかける辛辣な人は、嫌われる傾向がある。
  • 辛辣な言葉により傷口をえぐられた気持ちになる。

「辛辣な言葉」「辛辣な意見」とは

「辛辣」は「辛辣な言葉」「辛辣な意見」などの使い方をすることが多いです。これらは具体的にどのような言葉なのでしょうか。

「辛辣な言葉」「辛辣な意見」は、「手厳しい言葉・意見」という意味に違いはありませんが、必ずしもネガティブな意味で使われる言葉ではありません。

たとえば、「彼は理不尽かつ一方的に辛辣な言葉を投げかけ、その場を去っていった」という表現だと、一方的に悪口や暴言を吐かれたという、悪い意味で「辛辣」を使ったといえます。

しかし、「彼の辛辣な意見は現場の者たちを落ち込ませたが、その言葉はどれも納得せざるを得ないものばかりだった」という表現は、相手のことを考えた上でのアドバイスというニュアンスが含まれます。厳しさの中に優しさや愛情がある言葉を指します。

つまり、「辛辣な言葉」や「辛辣な意見」は、批判するときに限定して使われる言葉ではありません。

テレビで見かける毒舌タレントも、まさに「愛情の込もった辛辣な意見」で人を魅了していると言ってよいでしょう。

「辛辣」の類義語

「辛辣」の類語には次のような言葉があります。

類語の中には悪意が込められた意味の言葉もありますが、厳しさと優しさが共存するような場面で使える言葉もあります。

【類語】

  • 苛辣(からつ)
  • 痛烈
  • 鋭い
  • 手厳しい
  • きつい
  • 棘のある
  • 急所をつく
  • 毒舌
  • 冷ややかな
  • 歯に衣着せぬ

いずれの言葉もニュアンスに細かな違いはありますが、どの類語も「聞く側が言われたくないような手厳しいことを言う」という意味合いがあります。

【例文】

  • 日々、苛辣な扱いを受ける状況に堪えている。
  • 痛烈な批判を受けた。
  • 鋭い言葉にひるむ。
  • 彼の意見は少々手厳しいものがある。
  • きつい物言いをする人だと思った。
  • 彼女の棘のある言葉を聞きたくないと、ここにいる誰もが思っている。
  • その指摘は僕の急所をついた。
  • 毒舌な人と接するのが苦手だ。
  • 背後から冷ややかな声が聞こえた。
  • あの人は歯に衣着せぬ発言をすることで話題になっている。

相手に思いやりの気持ちを込めて意見するときと、厳しく言うときとで、言葉をうまく使い分けられるとよいでしょう。

「辛辣」と「毒舌」の違い

前項でも述べた通り、「辛辣」と「毒舌」は似た言葉ですが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。

「毒舌」の意味は「辛辣な悪口や皮肉を言うこと。また、その悪口や皮肉」です。

「辛辣」と「毒舌」の違いは、「毒舌」は相手が発する言葉を限定していう表現なのに対し、「辛辣」は言葉や意見だけでなく手厳しい態度など、言葉以外についても表している点です。

【例文】

  • 彼の毒舌に批判が殺到している。
  • 辛辣な人への批判が殺到している。

「辛辣」の対義語

続いては「辛辣」の対義語を紹介します。

「遠慮のない意見を言う」という意味の反対語は

  • 歯切れの悪い
  • 奥歯にものが挟まったような
  • 婉曲(えんきょく)

が挙げられます。また、「きつい・厳しい」という意味の対義語は

  • 優しい
  • 情け深い
  • 穏やか

があります。

【例文】

  • 問い詰めれば問い詰めるほど、歯切れの悪い回答しか聞けなかった。
  • 奥歯にものが挟まったような曖昧な言葉に、じれったい気持ちが募る。
  • 婉曲な言い回しをされ、なんとなく事態を察した。
  • 優しい」口調で話す彼に好感を寄せる女性は多い。
  • 彼女はいつ、誰に対しても穏やかな対応を徹底している。
  • 情け深い彼は、わたしの話を聞き、涙を流した。

さいごに

ここでは「辛辣」の意味や使い方についてお伝えしました。

「辛辣」は、言葉や表現が非常に手厳しいさまを表す言葉ですが、ネガティブな印象を受けたときに限らず、上司や先輩から鞭打って強く励まされたときや指導を受けたときにも使える表現のため、ビジネスシーンで使ってみてはいかがでしょうか。

また、部下や後輩に教育するとき、時には「辛辣」になる必要もきっとあるでしょう。

「辛辣な言葉」や「辛辣な意見」が成長させてくれる場面も存在します。受け入れがたい内容の言葉もあるかもしれませんが、それを真摯に受け止めることが大切ですね。

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