能率・効率・生産性の違い|意味や使い方・類語を紹介(例文つき)

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能率・効率・生産性の違い|意味や使い方・類語を紹介(例文つき)

日本語には似た意味を持つ漢字がたくさんあります。

その代表格のひとつが「能率」「効率」「生産性」です。これらの意味や使い方の違いをご存知ですか?

どの言葉もビジネスシーンで使うことの多い言葉ですね。

ここでは「能率」「効率」「生産性」の違い、意味や使い方についてお伝えします。違いを正確に理解できるように、それぞれの類語や対義語も紹介するので参考にしてくださいね。

この機会に是非、適切に使いこなせるようになりましょう。

「能率」「効率」「生産性」の違い

まずは「能率」「効率」「生産性」の意味や使い方を例文つきで紹介します。

「能率」の意味・使い方(例文つき)

「能率(のうりつ)」は、「一定時間内にできる仕事の割合。仕事のはかどり方」という意味です。また、余談ですが、物理学で「モーメント」という意味もあります。

「能率」は「時間内に仕上がった仕事の割合」を表す言葉で、「能率が良い/能率が悪い」、「能率が上がる/能率が下がる」という使い方をします。

たとえば、部下に仕事を教えながら、自分の業務をこなすとなれば、どうしても業務進捗のスピードは遅くなってしまいます。そのようなとき、「能率が下がる」といいます。

【例文】

  • 朝活を取り入れたら、仕事の能率が上がった。
  • 従業員教育を徹底して個々の能力アップを図った結果、全体の能率が良くなった。

「効率」の意味・使い方(例文つき)

「効率(こうりつ)」の意味を辞書で調べると「機械などの、仕事量と消費されたエネルギーとの比率」「使った労力に対する、得られた成果の割合」とあります。

「効率」を分かりやすく言うと、「労力や費用、材料などの資源を使って、どれだけの成果を得られたか」を表します。仕事の成果と、それに要するさまざまなコストとの相対的な比較を表すときに使います。

また、「効率が良い/効率が悪い」という使い方をします。

たとえば、先月、100万円のコストをかけて120万円の売上をあげたのに対し、今月は50万円のコストをかけて100万円の売上が上がったとします。相対的にみると、今月は少ないコストで多くの成果を得ているので「効率が良くなった」といいます。

【例文】

  • ボタンを押すだけで、あとは全自動で量産してくれるなんてとても効率が良い。
  • 作業効率を重視した結果、一部工程でロボットを導入することになった。

「生産性」の意味・使い方(例文つき)

「生産性(せいさんせい)」とは「生産過程に投入される労働・資本などの生産要素が、生産物の産出に貢献する程度」という意味です。なんだか難しい意味ですね。

簡単に言えば、「いかに少ない力で多くのものを生み出せるか」ということです。「労働生産性」ともいいます。

「生産性が高い/生産性が低い」「生産性が上がる/生産性が下がる」という使い方をします。

たとえば、1時間で100個の製品を作り出せる機械に対して、80個の製品しか作れない機械は「生産性が低い」といえます。生産物を得るのに、労力や費用が寄与する度合いが大きいほど「生産性が高い」ということになります。

【例文】

  • 従業員の作業を単純化した結果、生産性が上がった。
  • 材料を最大限活用するために、生産性が高いと評判の他社製品に乗り換えた。

「能率」「効率」「生産性」の違い

前項ではそれぞれの意味や使い方をお伝えしましたが、おさらいしておきましょう。

  • 能率:時間内に仕上がった仕事の割合
  • 効率:コストを使ってどれだけの成果を得られたか
  • 生産性:いかに少ない力で多くのものを生み出せるか

「能率」は、一定の時間のなかでこなした仕事量や達成度を比較した割合を指します。つまり、一定時間内にこなせる仕事量が多ければ「能率が良い」、反対に、こなせる仕事量が少なければ「能率が悪い」となります。

「効率」は、コストを使ってどれだけの成果を得られたか、その割合を指す言葉です。費用対効果(コストパフォーマンス)が高ければ「効率が良い」、逆に費用対効果が低ければ「効率が悪い」と表現します。

「時間」と「労力や費用」のどちらに軸を置いて仕事量を評価するかによって、「能率」と「効率」は使い分けることができます。

また、「生産性」は、労力や費用が成果にどれだけ貢献したか、という程度を指す言葉です。商品を販売するために材料、費用、労力などが非常にかかる場合は「生産性が低い」、少しのコストで多くの商品を作り出せる場合は「生産性が高い」と表現します。

「能率」「効率」「生産性」の類語・言い換え表現

「能率」「効率」「生産性」にはそれぞれどのような類義語があるのでしょうか。

実は「効率」と「効率」はお互いに類義語の関係となります。

また、「生産性」には「生産性が高い」「生産性が低い」という言葉のそれぞれに以下のような類語があります。

  • パフォーマンスが上がる/下がる
  • 生産力が高い(増加する)/低い(減少する)
  • 生産力が上がる/下がる(落ちる)
  • 生産能率が向上する/低下する
  • 合理性がある/ない(合理性に欠ける)

「生産力」はものを生み出す力を指します。また、「合理性」は無駄なく行われるという点で、コストが生産物にどれほど貢献しているかを示す「生産性」と通じるものがあります。

「能率・効率」のそれぞれの対義語

「効率」「能率」「生産性」にはどのような対義語があるのでしょうか。

実は、「効率」「能率」「生産性」はどれも割合を示す言葉なので、明確な対義語はありません。しいて挙げるなら、下のようにそれぞれの単語に打ち消しの接頭語「非」を付けたものとなります。

  • 「効率」の対義語⇒「非効率」
  • 「能率」の対義語⇒「非能率」
  • 「生産性」の対義語⇒「非生産的」

「非効率」とは「費やした時間,エネルギー,費用などからみて,それに見合う効果がないさま」という意味です。つまり、効率が悪いという意味ですね。「物事が無駄なく効率よく行われるさま」を意味する「効率的」の対義語となります。

「非能率」とは、「能率が悪いこと」を意味します。これは「むだなく仕事がはかどるさま。能率のよいさま」を意味する「能率的」の対義語となります。

「非生産的」とは「役立つものが、なにも生まれてこないさま。生産を伴わないさま」という意味です。「新しい物事を生み出したり、発展をもたらしたりするさま。建設的。」を意味する「生産的」の対義語となります。

ちなみに、「生産」の対義語は「消費」ですが、「生産性」のように接尾語「性」を付けた「消費性」という言葉は使いません。

さいごに

ここでは「能率」「効率」「生産性」の違いについて詳しくお伝えしましたが、いかがでしょうか。

ビジネスシーンでは、言葉を正しく使い分けることが大切です。

「能率」「効率」「生産性」はどれも頻出のビジネス用語なので、この機会にしっかり覚えておいてくださいね。

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