「淘汰」の意味・使い方・対義語|「排除」との違い(例文つき)

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「淘汰」の意味・使い方・対義語|「排除」との違い(例文つき)

読み方も難しい「淘汰(とうた)」という言葉の使い方はご存知ですか?

「淘汰」はビジネスで使える意味から普段は使わないであろう意味まで含んでおり、幅広いシーンで使われる言葉です。しかし、実際の生活の中でどのような場面で使えばよいのか分からない方も多いことでしょう。

今回は、特にビジネスシーンで使われる「淘汰」の意味や使い方に注目しながら解説を行っていきます。よく似た「排除」との違いや対義語についても、例文を参考にしながら使い方をみていきましょう。

「淘汰」の意味・使い方

「淘汰(とうた)」には、次のような3つの意味があります。

  • ①不要なものや不適切なものを取り除いて良いものを残す
  • ②環境に適さない個体が死滅し、適応するものだけが残る
  • ③風や水で流される過程で、堆積物がその形状や重さによって選別される現象

ビジネスなどの日常会話で使われることが多い①の意味の例文を紹介します。

【例文】

  • 能力のない人は淘汰される
  • 新しい製品の誕生によって、古い製品は淘汰されるであろう
  • 業績の悪い企業は淘汰される

「淘汰」「排除」の違い

「淘汰」と混同しやすい言葉に「排除」があります。どちらも何かを取り除くというニュアンスがありますが、意味に微妙な違いがあるので注意してください。2つの意味を比べてみましょう。

  • 淘汰:不要なものを取り除いて良いものを残す
  • 排除:不要なものを取り除く

上の意味からも分かるように、淘汰には「取り除く」と「残す」という2つの行為が含まれていますが、「排除」は「取り除く」だけ。似たようなニュアンスではありますが、使える場面は異なってきます。それでは、「淘汰」と「排除」の例文を比較してみましょう。

【淘汰の例文】

  • 利益ばかり求めている人はいずれ淘汰されるであろう。
  • A社B社より業績の悪いC社は淘汰されるであろう。

【排除の例文】

  • 町から暴力を排除する
  • バリケードを排除する

「淘汰」には「利益ばかりを求めない人が残る」「A社B社が残る」という意味が隠れています。一方「排除」は、不要なものを取り除くのが目的だということが分かります。

「淘汰」の対義語

はっきりとした「淘汰」の対義語は存在しませんが、淘汰の「取り除く」という部分に注目した対義語の意味と例文を紹介します。

  • 共存(きょうぞん):2つ以上のものが争わずに一緒に生きていくこと
    「ショッピングモールと昔ながらの商店街が共存するのは難しい」
  • 受容(じゅよう):受け入れて取り込む
    「現実をありのままに受容する」
  • 導入(どうにゅう):外からお金や機械・技術を取り入れる
    「最新機器を導入する」
  • 包摂(ほうせつ):一定の範囲の中に包み込むこと
    「社会的包摂とは、社会的に弱い立場にある人も社会の一員として取り込んで支えあうことである」

「包摂」という言葉を聞いたことのない方も多いのでは?「共存」は「きょうそん」という読み方が正しいのですが、最近は「きょうぞん」と読んでも間違いにはならないようです。

まとめ

ビジネスでは、人や物・企業に対して使われることが多い「淘汰」。正しい意味や使い方は理解できたでしょうか?

競争社会の中で淘汰が行われるのは仕方のないことですが、自分や自分の会社が淘汰されることのないよう気を引き締めたいものです。「淘汰」とニュアンスの似ている「排除」との微妙な違いも、例文を比べることでよく分かりますね。

厳密には意味の違う2つの言葉ですが、今回紹介した「淘汰」の対義語は、「排除」の対義語としても使えることを覚えておいてくださいね。

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