「改訂・改定・改正」の意味や違い、使い分け方とは?

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「改訂・改定・改正」の意味や違い、使い分け方とは?

文章などを変更することを「かいてい」と言います。今「改訂」と「改定」、どちらの漢字が頭に浮かんだでしょうか?

実はこの2つの言葉、非常に意味が似ているため使い分けが大変難しい言葉なのです。同じ読み方をすることから、注意しておかないとパソコンやスマホで間違った漢字に変換してしまう可能性もありますね。

これから「改訂」と「改定」、そしてこれらの言葉と混同しやすい「改正」という3つの言葉について、微妙な意味の違いや使い分け方を解説していきます。

「改訂」の意味

「改訂(かいてい)」とは「文章において表現や文字の間違いを正しく書き換えること」を意味し、誤字脱字の修正や誤った内容を正すときに使います。

「訂」という漢字には文字や文章の誤りを正しくするという意味があり、「訂正」と関連付けて覚えておくとイメージが沸きやすいでしょう。では、例文を見てみましょう。

【例文】

  • プレゼンの資料に誤りがあるので、至急改訂いたします。
  • 数年前に出版された小説の一部に誤植があったが、先日発売された改訂版では正しく表記されている。
  • 今日中に文書を改訂を行ってください。

「改定」の意味

「改定(かいてい)」は「以前に決めてあったものを新たに定める・今までの内容とは違う新しいものに変えて定める」ことを意味します。

以前の内容が間違っているかどうかに関わらず、変更を行う場合に使われます。「定」という漢字に「定める」「決まる」という意味があることが分かれば、「改定」の意味も覚えやすいですね。次のようなシーンで「改定」が使われます。

【例文】

  • 材料費が値上がりしたので、販売価格の改定を行います。
  • 家主と協議して家賃を減額改定した。
  • 学習指導要領の大幅な改定が行われ、現場の教師は混乱している。
  • 就業規則を改定する。

「改正」の意味

「改訂」「改定」とともに混同しやすい「改正(かいせい)」には「正しくないものを正してより良いものに変える」という意味があります。
単純に文字や表現の誤りを正すのではなく、以前の内容の不適切な部分や不備、足りない部分を正しい内容に変更させることを表します。決まりごとに対して使われることが多い言葉です。例文は次の通りです。

【例文】

  • 憲法の改正については、長い間議論が行われた。
  • 通勤ラッシュの緩和のため、ダイヤ改正を行う。
  • 創立当時から変わらぬ校則を、時代に合ったものへと改正するべきだ。

「改訂・改定・改正」の違い・使い分け方

違いが分かりにくいこれらの3つの言葉。どういうシチュエーションで使うのが正しいのか、イメージは掴めたでしょうか?もう一度、それぞれの言葉の意味を比較してみましょう。

  • 改訂:文字や文章の間違いを正す
  • 改定:以前からあるものを新しく決め直す
  • 改正:内容に不適切な部分や不備があるものを正しくする

例えばある条例について上記の3つの作業を行う場合、それぞれどのような作業内容になるかを比較してみましょう。

  • 条例の改訂を行う:誤字脱字や表現の誤りを正しく書き換える
  • 条例の改定を行う:内容を見直し、今までとは違う新たな内容を定める
  • 条例の改正を行う:内容の不適切な部分や足りない部分を直し、より良いものに変える

「改訂」については比較的簡単にできそうですが、「改定」を行うとなると様々な資料や有識者の意見を参考にするなど、莫大な時間を要する作業になりそうですね。上司から「ちょっと君、この文書をカイテイしておいて。」なんて言われた時は、「改訂」なのか「改定」なのかしっかり確認した方が良さそうです。

まとめ

「改訂」と「改定」は、読みは同じでも意味にはっきりと違いがあること、また「改正」についても、誤字を正すのではなく内容をより良いものに変える場合に使うということはお分かりいただけましたか?例文を比較すると、それぞれの言葉をどのようなシチュエーションで使うのが相応しいのかもよく分かりますね。

同じ「かいてい」でも、誤字脱字を正すのと内容を新たに決め直すのでは大違いです。使い分け方をしっかりマスターしておけば、意味を取り違えてトラブルになることも防げるでしょう。

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