「悔恨・悔恨の念」の意味・使い方・類語(例文つき)|「後悔」との違い

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「悔恨・悔恨の念」の意味・使い方・類語(例文つき)|「後悔」との違い

「悔恨」という言葉の意味や使い方を知っていますか?

日常会話ではなかなか使わない言葉ですが、テレビの謝罪会見や本・新聞の活字などで見聞きしたことがあると思います。

ここでは「悔恨」の意味や正しい使い方を詳しく解説します。「悔恨の念」「悔恨の情」の使い方や類語、「後悔」や「怨恨」との違いについても紹介するので参考にしてくださいね。

「悔恨」の意味

「悔恨(かいこん)」は「過ちを後悔して残念に思うこと」という意味です。

「悔恨」の「悔」の漢字は訓読みにすると「悔やむ」という使い方をし、「十分にできなかったことなどを後から残念に思う気持ち」を意味します。

「恨」は「恨む」という漢字で「相手の仕打ちを不満に思う気持ち」「残念に思う気持ち」という意味があります。

よって「悔恨」は、過去の過ちを悔やんで残念に思う気持ちを表したいときに使う言葉です。

【例文】

  • あのとき助けてやれなかったことは、悔恨の思いである。
  • 私がしてしまった過ちを、悔恨を込めて後世に伝えたいと思う。
  • 親孝行ができないまま父が亡くなってしまったことは、悔恨にさいなまれる。

「悔恨」の使い方

「悔恨」の主な使い方に「悔恨の念」と「悔恨の情」があります。それぞれの意味や使い方、違いについて、例文をあげて説明します。

「悔恨の念」とは

「悔恨」は「悔恨の念」と、「念」と合わせて使われることがあります。

「念」は「心の中に従来している思い」という意味があり、「尊敬の念」「自責の念」「畏敬の念」といった使われ方をします。

「悔恨の念」とは「過ちを後悔して残念に思う気持ち」という意味になります。

【例文】

  • 悔恨の念にかられる。
  • 悔恨の念に堪えない。
  • 悔恨の念に打ちひしがれる。
  • 悔恨の念が胸にこみ上げる

「悔恨の念」と似た意味の言葉は下記のとおりです。

【類語】

  • 慚愧の念(ざんぎのねん)
  • 悔悟の念(かいごのねん)
  • 懺悔の念(ざんげのねん)

「慚愧の念」とは「自分の過ちを深く反省して、心に深く恥じ入る気持ち」という意味です。「悔悟の念」という言葉も、「過ちを悔いる気持ち」という意味で、「悔恨の念」とよく似ています。「懺悔(ざんげ)の念」は「犯した罪を告白して許しを請うこと」という意味ですので、「悔恨の念」とはまた違った意味の言葉になります。

それぞれ発音や漢字が似ていますが、意味は同じとは限りませんので、しっかりと覚えておきましょう。

「悔恨の情」とは

「悔恨の情」の「情」とは「人間が持つ心の働き」「その時に抱いた気持ち」のことを意味します。「悔恨の思い」とも言い換えれます。

「悔恨の念」は、過ちを後悔して残念に思う「継続的な気持ち」を表すのに対し、「悔恨の情」は、過ちを後悔して残念に「今そう思う」ことを表現します。

つまり、「悔恨の念」は悔んだり残念に思う気持ちを常に持ち、頭から離れないことを言いますが、「悔恨の情」は感情的に今、後悔の気持ちがこみ上げていることを表しています。

【例文】

  • 悔恨の情に駆られる
  • 悔恨の情を感じる
  • 悔恨の情を抱く
  • 悔恨の情にとらわれる

「悔恨」の類義語・言い換え表現

「悔恨」の類語は下記のとおりです。

  • 後悔
  • 悔悛(かいしゅん)
  • 無念
  • 悔悟(かいご)
  • 残念
  • 悵恨(ちょうこん)

「後悔」「悔悟(かいご)」にはそれぞれ「過ちを悔いる」という意味が含まれているため、「悔恨」と近い意味で使うことができます。※次節にて補足あり

「悔悛(かいしゅん)」とは、過ちを悔い改めることで「改悛」とも書きます。こちらは罪という意味での「過ち」を悔い改めたときに使う言葉です。

「無念」や「残念」は、「思い通りにならなかったことに対して感じる悲しみの気持ち」という意味に近いため、「悔恨」より悲しい気持ちを強く表現したいときに使うのが適切です。

【例文】

  • 今日上司に謝罪しなかったことを後悔した。
  • 私の犯した過ちは、悔悟の一言だ。
  • 明日から心を入れ替えて悔悛する。
  • 再審によって無罪となった男性の無念が伝わってくる。

「悔恨」と「後悔」の違い

「悔恨」とよく似た言葉に「後悔」があります。二つの言葉の使い分け方も覚えておきましょう。

「後悔」は「自分のしてしまったことに対して、後になって失敗だったと悔やむこと」という意味です。

「後悔」は自分が過去にしたことを単に悔んだり、残念がったりすることを表すのに対し、「悔恨」は「自身の過去の過ち」を深く反省し、悔いていることを表現しています。

そのため「悔恨」は、「後悔」よりもさらに強く過去を悔やむ気持ちが表現されている言葉です。

「悔恨」と「怨根」の違い

「怨根(えんこん)」とは「うらむこと、またうらみ」という意味です。

「怨恨」の「怨」の漢字は訓読みでは「怨む(うらむ)」となり、「人から不利益を受けたことにより、その人に対する不満や不快感を心に抱き続ける」ことを意味します。

ニュースで犯行動機について「怨恨による犯行」と報道されたりしますよね。

つまり、「悔恨」は自らの過ちを悔んだり残念がったりすることを表しますが、「怨恨」は他人へのうらみを心に抱くことを意味する言葉です。

意味は全く違うため、使い分けできるようしっかり覚えておきましょう。

まとめ

いかがでしたか?「悔恨」の正しい意味や使い方、また「悔恨の念」や「悔恨の情」の違いや使い方について例文とともにお伝えしてきました。

あまり日常生活で使うことはないかもしれませんが、正しい意味や使い方を理解しておけば、ビジネスシーンでいざというときに役立ちます。常識として覚えておきたい言葉ですね。

ただ、できれば日常で「悔恨」することは、できれば避けたいものです。そのためにも見直しや反省を怠らず、日々生活していきたいものですね。

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