会社移転・店舗移転の通知・挨拶状の書き方|文例つき

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会社移転・店舗移転の通知・挨拶状の書き方|文例つき

会社移転や店舗移転の挨拶状では、移転理由やメリットを簡潔に書き添えるとともに、移転できたのは取引先の支援によるものと謙虚な姿勢を示すことが大切です。新住所や新電話番号、案内図などは別記扱いで箇条書きとし、明記した情報に間違いのないよう注意しましょう。

ここでは、会社や事務所の移転・店舗移転の挨拶状の書き方やマナーについてお伝えします。文例もご紹介するので、手紙を書くときの参考にしてくださいね。

会社移転・店舗移転の挨拶状のマナー

まずは、会社移転・店舗移転の挨拶状を書くときに心がけておきたいマナーや、押さえておくべきポイント、注意事項について理解しておきましょう。

移転の挨拶状を送るタイミング

請求書や納品書などの伝票類や、商品の納品先住所など全てが変更になるため、取引先や仕事の関係者には早めに通知する必要があります。遅くとも移転する1ヵ月前には先方に挨拶状が届くよう手配しましょう。

また、店舗の場合は特に注意しなくてはなりません。お客様のなかには先の来店を予定している方もいるはずです。移転したことを知らずに移転前の住所に来て困惑させてしまわないよう、お店の目立つ場所に移転の案内を貼っておき、告知しましょう。ホームページでも通知しておくと親切です。

移転先の情報は別記にまとめて記載する

本文中に移転先の情報を記述すると、挨拶状を受け取った相手は読みづらく感じてしまいます。新住所や電話番号など、相手に伝えるべき情報をまとめ、末文の下の別記に箇条書きにしましょう。

移転の挨拶状は、相手に情報をわかりやすく伝達することが目的です。必要に応じて、地図や最寄り駅からのアクセス、駐車場の有無などを明記しておく気配りが大切です。飲食店を移転する場合は、席数や喫煙席の有無、事務所を移転する場合は、オフィスの階層など、来訪してくださる方々の目線に立って文面をまとめましょう。

会社移転・店舗移転の挨拶状の書き方

つづいては、会社移転・店舗移転の挨拶状の基本構成についてご紹介します。挨拶状は書式に則って明記するのがマナー。構成要素とポイントは図の下に記載しておきます。

会社移転・店舗移転の挨拶状の書き方

  1. 日付:日付の数字は、縦書きの場合は漢数字、横書きの場合は算用数字を用います。発送年月日を明記しますが、「吉日」としても構いません。
  2. 宛名:挨拶状を差し出す相手の名前を明記します。不特定多数の人に宛てる場合は「お客様各位」「取引先各位」「関係者各位」などとします。
  3. 署名:差出人の名前を明記します。会社名や役職も省かずに正式名称を書き、屋号の場合は店舗名を明記します。
  4. 件名:文書のタイトルを明記します。「事務所移転のお知らせ」「店舗移転のご案内」などと簡潔かつ具体的な件名にしましょう。
  5. 前文:挨拶状の前文は「頭語(拝啓や謹啓)」「時候の挨拶」「相手の安否を気遣う挨拶」の順番に形式に従って書き出します。
  6. 主文:「移転の通知」「移転理由」「日頃の感謝の言葉」「今後も変わらぬ厚誼を願う言葉」「今後の決意・抱負」などを書き添えます。
  7. 末文:末文は「結びの挨拶」で文章を締めくくり、改行して行末に「結語(敬具・敬白など)」を書きます。結語の書き忘れに注意しましょう。
  8. 別記:「移転先の住所」「移転日」「移転先での業務開始日」「営業時間」「電話番号」「ファックス番号」「アクセス・地図」といった必要な情報を明記します。書き間違いには注意しましょう。

会社移転・店舗移転の挨拶状の文例

さいごに、会社移転・店舗移転の挨拶状の文例をご紹介します。文例のあとに記載しているポイントについても目を通しておいてくださいね。

会社移転の文例

                本社移転のご挨拶
拝啓 春暖の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てにあずかり、深謝申し上げます。
 さて、このたび弊社では、業務効率化のため、本社を下記に移転することになりました。
 つきましては、社員一丸となりサービスの向上に努めてまいりますので、なにとぞ一層のご支援、ご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
 まずは略儀ながら、御礼かたがたご挨拶申し上げます。
                                         敬具
平成〇〇年〇月〇日
                                   株式会社〇〇〇〇
                                 代表取締役 〇〇〇〇
                     記
   新住所    〒〇〇〇-〇〇〇〇
          東京都中央区見本橋〇-〇-〇
   電話番号   〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
   移転日    平成〇年〇月〇日(金)~平成〇年〇月〇日(日)
   業務開始日  平成〇年〇月〇日(月)
                                         以上

本文では、移転の通知と移転理由を書き添え、新住所などは別記にまとめて箇条書きとするのが基本です。取引先やお客様への挨拶状では、日頃お世話になっている御礼の言葉も書き添えましょう。

社屋移転の文例

                                  平成〇〇年〇月〇日
取引先各位
                                   株式会社〇〇〇〇
                                 代表取締役 〇〇〇〇
                社屋移転のお知らせ
拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、小社はこのたび建物老朽化のため、〇月〇日(月)より社屋を下記の通り、移転することとなりました。当初はお手間をおかけすることもあるかと存じますが、以降お問い合わせ、ご来社は何卒下記までお願い申し上げます。
 移転を機に、社員一同、心機一転より一層業務に励み、皆様のお喜びに役立つ所存でございます。今後とも、変わらぬお引き立てを賜りますよう、お願い申し上げます。
                                         敬具
                     記
   新住所    〒〇〇〇-〇〇〇〇
          東京都中央区見本橋〇-〇-〇
   電話番号   〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
   FAX番号   〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
   移転日    平成〇年〇月〇日(金)~平成〇年〇月〇日(日)
   業務開始日  平成〇年〇月〇日(月)9時~
                                         以上

移転理由がないと、突然何が起きたのかと相手に心配をかけてしまいます。「業務拡張にともない」「事業合併にともない」など、簡潔に理由を書き添えましょう。また、いつから新社屋で業務がスタートするか分かるよう、業務開始日も明記しておけば、相手も迷わずに済みます。

事務所移転の文例

                                  平成〇〇年〇月〇日
取引先各位
                                   株式会社〇〇〇〇
                                 代表取締役 〇〇〇〇
                事務所移転のお知らせ
拝啓 陽春の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。日頃はひとかたならぬご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、かねてより建設中の新本社社屋の完成に伴い、来る〇月〇日をもって、下記の通り移転いたす運びとなりました。従来の事務所は交通の点では皆様になにかとご迷惑をおかけいたしましたが、移転先はインターチェンジから〇分、最寄り駅からは〇分の至近距離にございますので、ご来訪くださる皆様にも喜んでいただけるものと存じます。
 これもひとえに皆様のご支援の賜物と深く感謝いたしております。これを機に、社員一同、皆様方のご要望にお応えできるよう、精一杯努力してまいる所存でございます。
 今後とも何卒ご指導ご鞭撻のほど、心よりお願い申し上げます。
 略儀ではございますが、書面にてご挨拶申し上げます。
                                         敬具
                     記
   新住所    〒〇〇〇-〇〇〇〇
          東京都中央区見本橋〇-〇-〇
   電話番号   〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
   FAX番号   〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
   移転日    平成〇年〇月〇日(金)~平成〇年〇月〇日(日)
   業務開始日  平成〇年〇月〇日(月)9時~
   案内図    別紙参照
                                         以上

移転理由は、簡潔かつ具体的に明記しましょう。文中の下線部は「このたび弊社は、業務拡張につき」「このたび弊社は、従業員の増加により」などと書き換えることができます。

店舗移転の文例

                店舗移転のお知らせ
拝啓 初秋の候、皆様いよいよご健勝のこととお慶び申し上げます。日頃より並々ならぬご芳情を賜りまして誠にありがとうございます。
 さて、このほど当店は店舗拡大に伴い、下記の住所へ移転することとなりました。
 これにより駐車場のスペースも拡大され、お客様には一層ご利用していただきやすくなるものと自負いたします。今後ともますますのお引き立てを宜しくお願い申し上げます。
 まずは略儀ながら、書中をもちまして店舗移転のご案内を申し上げます。
                                         敬具
平成〇〇年〇月吉日
                     記
   新住所    〒〇〇〇-〇〇〇〇
          東京都中央区見本橋〇-〇-〇
          (別紙の地図をご参照ください)
   電話番号   〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
   営業開始日  平成〇年〇月〇日(月)
   営業時間   11時~22時
                                         以上

とくにメリットのない移転の場合は、「このほど当店は事情により下記へ移転することになりました」として、詳しい事情に触れる必要はありません。また、貼り紙で告知する場合は、軽めの挨拶のほうが好ましいといえます。末文は「今後とも当店をご愛顧ください」などと簡単な言葉で結びましょう。

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