「当該」の意味・言い換え方・類語|「該当」との違い(例文つき)

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「当該」の意味・言い換え方・類語|「該当」との違い(例文つき)

「当該」という言葉は、仕事や文書、法令などで見聞きする機会の多い熟語です。

しかし、多くの方は、誤った使い方をしていたり、正しい用法を使っていても正確な言葉の意味を知らなかったりします。そこでここでは、「当該」の意味や正しい使い方をまとめてみました。

このほかに、言い換え方や類語、「該当」との違いについても触れています。分かりやすいように例文も載せているので、「当該」の使い方に不安を覚える方はこの記事を読んで、意味や使い方を確認しておきましょう。

「当該」の意味・使い方

当該の読み方は「とうがい」。意味は「そのこと」「そのもの」「そのことに関係があること」です。

「当該」は、連体詞という品詞に属します。連体詞とは、名詞を修飾する品詞のことであり、例えば「当該案件」「当該事案」などと用います。「当該」は代名詞のように名詞を修飾する使い方をするのです。

「当該」をよく使う場面は、クライアントとの打ち合わせや発表のほか、官公庁が出す文書、国が定める法令など、かしこまった場面が主となります。親や友人との日常会話で使う機会は、ほとんどないでしょう。そこで、「当該」の使い方が想像できるように、「当該」の言葉が使われる場面をいくつか挙げてみました。

  • 当該製品には、我が社の技術が結集されています。
  • 国の決定に基づき、当該事項は今後行わないこととします。
  • 著作物の利用は、当該事件の報道に伴って利用することができます。

「当該」の言い換え方・類義語

つづいては、「当該」の類義語をお伝えします。「当該」の言葉を言い換えて使うために、同じ意味を持った別の言葉を挙げてみました。「当該では堅苦しい」と感じる方は、次の言葉を選んでみましょう。

  • この:この製品、この事件
  • その:その案件、その出来事
  • 先に述べた:先に述べた話題、先に述べた事象
  • 例の:例の方法、例の会社
  • 件の(くだんの):件の取引
  • 本:本企業、本製品
  • 当:当商品、当選手
  • 該当する:該当する国、該当する職員
  • 相当する:相当する地域、相当する期間
  • 関連する:関連する事故、関連する項目

ビジネスシーンでは、「当該製品」から「本製品」「当製品」「先に述べた製品」などの言い回しにすると、やわらかい印象を与えます。また、「当該事項」は、「該当する事項」へ、「当該事件」は「関連する事件」への言い換えが可能です。これなら、日常会話でも、分かりにくい表現を使わずに済むでしょう。

「当該」「該当」の違い

「当該」と似た言葉に、「該当」という言葉があります。しっかりと使い分けるためには、2つの意味を知ることが大切です。まずは、言葉の意味を振り返ってみましょう。

  • 当該の意味:「そのこと」「そのもの」「そのことに関係があること」
  • 該当の意味:「その条件・事例にあてはまること」

「当該」も「該当」も意味はそこまで大きく変わりませんが、使い方が異なります。「当該」は、主に名詞の前に置く連体詞であるのに対して、「該当」は、「該当」のあとに動作を表す「する」をつけて使用します。「該当する人」「該当する条件」などの使い方です。2つの言葉を使い分けられるように、例文も挙げてみました。

【例文】

  • 対象は、当該製品を購入された方に限られます。
  • 対象は、該当する製品を購入された方に限られます。

【例文】

  • 当該施設への入居を希望される方は、こちらに連絡をしてください。
  • 該当する施設への入居を希望される方は、こちらに連絡をしてください。

まとめ

「当該」の意味や、「該当」との違い、類語、言い換え方を、例文を交えて紹介しました。当該を使うときは、該当と混ざらないように、使い方に気をつけてください。該当と同じ使い方をすると、意味が通じないことがあります。ビジネスシーンに使うときは、しっかりと言葉の意味と用法を理解しておくことが大切です。

また、やわらかい言い方に変えるときは、あとに続く品詞を確かめると、間違いを減らせます。使う相手や場面に合わせて、「言い換え方を変える」「類義語を用いる」と、こちらの意図が伝わりやすくなりますよ。

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