切手の正しい貼り方

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切手の正しい貼り方

相手に郵便物を届ける際、封筒に貼る「切手」にもマナーがあります。意外と見られている切手は、手紙を受け取った人に少しでも違和感を覚えさせないことが大切。貼り方を間違えると、相手に荷物が届かない場合もあるので注意しなくてはなりません。

ここでは、切手を貼る正しい位置や、複数枚の切手を貼るときの並べ方などをご紹介していきます。

切手のきれいな貼り方

手紙を送るときは、必要な郵便料金分の切手を、官製ハガキや封筒に貼って送りますが、封筒やはがきの余白なら、どこにでも自由に貼っていい訳ではありません。実は、切手を貼る位置や貼り方は、郵便の約款で決められているのです。まずは切手を貼る位置から見ていきましょう。

切手を貼る位置

切手は、郵便物の表面が縦書きか、横書きかによって、貼る位置は決められています。以下をご覧ください。

  • 縦長の郵便物(縦書き):封筒やはがきの左上部に郵便切手を貼る
  • 横長の郵便物(横書き):封筒やはがきの右上部に郵便切手を貼る
    ※日本郵便株式会社「内国郵便約款第42条3項」に記載

しかも、郵便切手を貼る位置だけでなく、貼る範囲も決められています。

  • 縦長の郵便物(縦書き):左上部の縦7.0㎝ × 横3.5㎝の範囲
  • 横長の郵便物(横書き):右上部の縦3.5㎝ × 横7.0㎝の範囲

図で示すと以下のようになります。

切手を貼る位置

縦書きの郵便物 横書きの郵便物
表面の左上部 表面の右上部
縦7.0㎝ × 横3.5㎝の範囲 縦3.5㎝ × 横7.0㎝の範囲

ただし、所定の張るべき位置に余白がない場合に限り、上記以外の場所に貼っても良いとされています。つまり、切手が決められた位置に貼っていないからといって、郵送されない訳ではないので安心してください。

しかし、改まった手紙や目上の人に宛てた文書を送るときは、マナーの観点から相応しい封筒やはがきの色・形を選びましょう。郵送するときは用途に合った封筒を選ぶためにも「封筒の正しい選び方」を確認しておいてくださいね。

切手を貼る位置が決められている理由

郵便切手を貼る所定の位置が決められているのには理由があります。それは、郵便物の消印の作業を効率よく行うためです。

日々、郵便局には大量の郵便物が送られてきますが、人間が一通ずつ消印を押す作業をおこなうと、当然、郵送が間に合わず、パンクしてしまいます。効率的に作業を進めるためには、機械で捌く必要があるのです。機械は、郵送物が縦長の状態で消印を押す仕組みになっており、横長の封筒も、縦に揃えてから消印が押されます。つまり、横長の封筒(ハガキ)は、郵便切手を右上に貼ると、ちょうど縦長の左上の位置になります。

切手の向き

できる限り、所定の位置に切手を貼るようにしましょう。

横書きの場合、左上部に貼るのはNG

縦書きの封筒を横書きで使用する場合や、横書きの封筒を使うときは注意が必要です。以下の図のように左上部に貼ってはいけません。

横書きの封筒は右上に切手を貼る

「切手を貼る位置が決められている理由」でお伝えしたように、機械の都合に合わせるようにしましょう。

切手を貼る向き

切手を貼るときの向きには、特段、決まりはないとされています。しかし、何でもアリというのではなく、常識的なマナーに従って貼りたいものです。読み手が見やすい、オススメの切手の向きは以下の通りです。

切手の向き(縦書き・横書き)

  • 縦長の封筒(縦書き):切手の上部が、封筒・はがきの上部にくるように貼る
  • 横長の封筒(横書き):切手の上部が、封筒の開封部にくるように貼る
    注意:縦長=和封筒、横長=洋封筒です。縦長の封筒を横長として使用するのはマナー違反であり、好ましくありません。

向きに指定はないからといって、切手を逆向き(封筒の開封部分が切手の下側)に貼ったり、外を向くように貼ると、受け取り手は不自然に感じます。ルールとマナーの双方を意識することが、相手に対する配慮となることを覚えておいてくださいね。

切手のきれいな貼り方

切手を貼り付けるときは、海綿やスポンジに適度に水を吸い込ませたものを使いましょう。切手の裏面には、水分を与えると粘着力がでてくる成分が含まれています。切手の裏面に、水を吸い込んだスポンジを当て、乾かないうちに封筒やハガキに貼りましょう。切手に過度に水を浸けたり、浸す量が少なすぎたりすると、すぐに剥がれてしまいます。指で切手が持ちにくいときは、ピンセットで切手の角を押さえて水量を調整すると綺麗に貼ることができます。

注意POINT
切手の裏面に糊をつけるのは避けましょう。切手と封筒(はがき)の間に厚みがでてしまい、剥がれやすくなってしまいます。

また、切手を舐めたり、唾をつけるのもやめましょう。手紙は、読み手に対する配慮の気持ちを持つことが大切です。不快感を与える行為は、控えるべきといえます。

複数枚の切手の貼り方

郵便切手は、一枚で必要な料金分を貼ることがマナーですが、親しい人に送る場合、少額の切手が余っているときに複数枚を貼ることもあるでしょう。切手が複数枚あるときの貼り方は以下のとおりです。

縦書きの封筒・ハガキ

縦書きの場合、縦に並べて貼ります。切手を3枚貼るときは以下の貼り方が一般的です。

切手の並べ方(縦書き)

切手を複数枚貼るときは、金額の高いものを上に、低いものを下に貼ります。通常、切手を貼る範囲には切手は3枚しか貼ることができません。※切手を貼る範囲は「縦7.0㎝ × 横3.5㎝の範囲」、普通切手の印面寸法は「縦2.25㎝・横1.85㎝」のため。見栄えはよくありませんが、切手を4枚以上貼るときの並べ方をご紹介しておきます。

切手4枚の貼り方

切手4枚貼り方

切手5枚の貼り方

切手5枚貼り方

切手6枚の貼り方

切手6枚貼り方

所定の位置に収まらないときは、人による手作業で消印をおこなうため、郵送物が相手に届かないということはありません。

横書きの封筒・ハガキ

横書きの場合、右上に重ならないよう並べて貼り付けます。

切手の並べ方(横書き)

切手を4枚以上並べて貼り付けるときは以下の並べ方を参考にしてください。

切手4枚の貼り方

切手4枚の貼り方

切手5枚の貼り方

切手5枚の貼り方

切手6枚の貼り方

切手6枚の貼り方

1枚目を斜めに貼ってしまうと、2枚目以降もずれてしまいます。定規を使って平行に貼るなどの工夫をしましょう。

郵便局で切手は交換してくれる

切手は、郵便局に持ち込むと交換してくれます。10円などの少額の切手は金額をまとめたり、200円・500円などの高額な切手は、郵便切手に交換しておくと便利です。改まった手紙や目上の人にハガキを送るときは、切手1枚で送れるようにしましょう。ただし、交換には1枚につき5円の交換手数料がかかります。そのため、割り切れなかった端数の金額分は、2円切手など、さらに細かい金額の切手になるので注意が必要です。

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