「深謝」の意味・使い方|「陳謝」との違いまとめ(例文つき)

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「深謝」の意味・使い方|「陳謝」との違いまとめ(例文つき)

「深謝」という言葉を使う場面を目にすることがありますが、本当の意味や使い方を理解していますか?

ここでは「深謝」の正しい意味や、状況に適した使い方を例文とともに紹介します。また間違えやすい「陳謝」という言葉についても「深謝」との違いを説明します。

ビジネスシーンで知っておくと役に立つこの二つの言葉。正しい意味を理解し、堂々と使えるようになれば仕事がスムーズに進む要因にもなります。また「拝謝」「万謝」といった類義語の意味や使い方も併せてお伝えします。さまざまな場面での最も適した言葉を理解し、ふさわしい使い方ができるよう、参考にしてくださいね。

「深謝」の意味

「深謝」は「しんしゃ」と読み、意味は「心から感謝すること、心から詫びること」とあります。正反対の意味ですがどちらにも使われているんですね。では、どんなシーンに「深謝」という言葉を使うのでしょうか。

「深謝」は相手に対し、より深い感謝の気持ちを伝える言葉になるので、例えばお礼状や、メール文などで深い感謝の気持ちを表すときに「深謝いたします」という文を用います。また、心からお詫びする際に使う言葉でもあることから、相手に謝罪をする際、菓子折りなどにのしをつけ、そこに「深謝」と記入し相手先で手渡したりもします。

「深謝」の正しい使い方

では、ビジネスシーンではどのようなときに「深謝」という言葉を使うのでしょうか。つづいて、ビジネスでの「深謝」の使い方について感謝を伝える場合と謝罪を伝える場合に分け、例文を紹介します。

「深謝」で感謝を伝えるビジネス例文集

感謝の意味で使う「深謝」という言葉は、お客様への年賀状や、取引先の社員に感謝の意を述べる際に用いたりすることが多いです。これからも長いお付き合いをお願いしたいときや、相手のしてくれたことや手間に対しいつもより深く感謝するときなどに「深謝」という言葉を使います。

  • 本年中のご厚情に深謝いたしますとともに、明年も変わらぬご愛顧の程よろしくお願い申し上げます。
  • 皆様からの多大なご支援を賜り、心より深謝いたします。
  • 本日は遠方からお越し頂き深謝いたします。

通常よりも強く、相手に感謝の気持ちを伝える際には「感謝」よりも「深謝」という言葉を用いた方がより感謝しているという印象を与えやすくなります。

なお、「深謝いたします」以外の感謝の気持ちを伝えるフレーズを確認しておきたい方は「感謝・お礼メールのフレーズ集|ありがとうの敬語表現・例文5選」をご覧ください。

「深謝」で謝罪を伝えるビジネス例文集

謝罪の意味で使う「深謝」という言葉は、自分になにか不手際があり相手方に謝罪する必要があるとき、お詫び状やメールの文の中で使うことが多いです。また、スピーチなどで会社の不備があったことを詫びるようなとき、同じく「深謝」という言葉を使います。

  • 私のミスにより、貴社に多大なる損失を与えてしまいましたことを深謝いたします。
  • この度の担当者の不手際を深謝いたします。
  • 今回のシステム障害によりお客様にご迷惑と心配をおかけしましたこと、社員一同深謝いたします。
  • こちらも感謝のときと同じく、通常のお詫びよりもより深く謝罪の気持ちを伝えたいときに用いられます。

「深謝いたします」以外の謝罪フレーズを確認しておきたい方は「謝罪の気持ちが伝わるお詫びメールのフレーズ集・例文10選」をご覧ください。

「深謝」の類語・言い換え表現

「深謝」には似た言葉もいくつかあり、その場面に応じて的確に使い分ける必要があります。ここでは「深謝」の類語や意味、使い分け方についてお伝えします。

「深謝」の類語:拝謝

「拝謝」は「はいしゃ」と読み「感謝」の謙譲語で、へりくだって感謝の意思を伝えたいときに用います。

自分より目上の人に対して感謝の気持ちを伝えるときは「感謝」よりも「拝謝」という言葉が適しています。会社で上司に対して感謝を伝えたいとき、お世話になった先生や恩師にお礼の気持ちを伝えるときに用います。

  • 社長のお心遣いに拝謝いたします。
  • 〇〇先生の常日頃からのお力添えに拝謝いたします。
  • このたびの身に余るご配慮に拝謝いたします。

「深謝」の類語:万謝

「万謝」とは、「ばんしゃ」と読み、意味は「厚く感謝すること」と「深謝」とほぼ同じですが、特に相手の立場を考えずに使える「深謝」よりは、「拝謝」と同じく目上の人に使うことが適している言葉です。

  • 先日は、困りごとを解決していただき万謝いたします。
  • ご案内いただいた参考文書、とても役に立ち万謝いたします。
  • 千恩万謝の思いでございます。

「深謝」と「陳謝」の違い

「陳謝」とは、「ちんしゃ」と読み、「深謝」と同じく深い感謝や、深くお詫びの気持ちを表したいときに使いますが、「深謝」との違いは、「深謝」が必ずしも理由を必要とせず感謝やお詫びを深く表現する言葉なのに対し、「陳謝」は、その言葉を使う事情を述べ、その上で詫びるという意味があります。なにか理由があって詫びる必要があり、そうなった経緯を説明し謝罪するときなどに使います。

  • 我々の調査不足によりこのような事態を引き起こしてしまいましたことを陳謝いたします。
  • 今回のシステム不具合において、担当者の確認ミスでありましたことを陳謝申し上げます。
  • 度重なる弊社の不祥事を深く陳謝いたします。

まとめ

いかがでしたでしょうか。これまで「深謝」の意味と使い方、「深謝」を使った例文、そして「陳謝」という言葉との違いや「深謝」の類義語などをそれぞれ例文とともにご紹介してきました。

「深謝」は、「感謝」より深い気持ちを伝えることのできる言葉ですが、使う場面や相手を選んで、正しい使い分けをすることが大切です。また、ビジネスシーンでの適切な使い方を把握することが人間関係をより円滑にするカギにもなりますので、意味を正しく理解し、適した場面で使い分けできるよう、きちんと勉強しておきたいものです。

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