退職祝いの手紙の書き方|文例つき

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退職祝いの手紙の書き方|文例つき

定年退職や寿退社、独立・開業による退職、転職による中途退職など、退職といっても実にさまざまなケースがあります。

ここでは、お世話になった人に対する定年退職祝い、結婚による退職祝いの手紙の書き方やマナーをご紹介します。

友人や同僚として、また後輩や部下として退職のお祝い状を送る場合の文例もお伝えするので、メッセージを考えるときの参考にしてくださいね。

退職祝いの手紙を書くときのマナー

まずは退職祝いの手紙を書くときに押さえておくべきマナーや注意事項をご紹介します。

退職祝いで使ってはいけないタブーの言葉

退職祝いは、先方の新たな節目を祝う意味で、書き出しでは「ご退職おめでとうございます」という言葉を用いるのが一般的です。

本文では、「お疲れ様でした」「今まで本当にお世話になりました」など、感謝の気持ちやねぎらいの言葉を文面でしっかりと示すことが大切ですが、「ご苦労様」という言葉は使用しないよう、注意しましょう。本来この言葉は、目上の人が部下や後輩にかける言葉のため、相手に失礼な印象を与えてしまいます。

退職祝いの手紙を渡すタイミング

退職祝いの手紙は、退職日の前日までに直接渡すようにします。退職日当日に送別会などを開催する場合は、その場で渡してもかまいません。本人には事前に知らせず、サプライズという形で花束や記念品とともにお祝い状を渡すと喜ばれるでしょう。

円満退職でないとき・中途退職のお祝い状を書くときの注意点

リストラなどの理由でやむを得ず退職を強いられた場合は、「退職祝い」という形式にこだわる必要はありません。退職者へのお礼のメッセージとして言葉を書き記した手紙を渡したり、再就職が決まったときにあらためて「就職祝い」を贈ったりするなど、柔軟に対応することを心がけます。

また中途退職者に宛てるときは、中途退職の理由にもよりますが、文面では過去を振り返るのではなく、退職者の今後へ向けての祝意や激励・期待感などを中心にまとめるようにしましょう。

退職祝いの手紙の基本構成

つづいては、退職祝いの書式の構成についてお伝えします。以下の図に示した4つの項目に分けることができます。

退職祝いの手紙の基本構成

「前文」「主文」「末文」「後付け」を書くときのポイントはそれぞれ以下の通りです。

  • 前文:退職祝いの手紙は「頭語(拝啓)」「書き出しの挨拶」または「名前の呼びかけ」を明記します。
  • 主文:「退職のお祝いの言葉」「お祝いごとへの心情」「相手の将来にふれる言葉」「お祝いの品別送(同封)の通知」などを書き添えます。具体的なエピソードを盛り込むことで、感謝の気持ちがより伝わりやすくなります。お世話になった場面を思い出して書きましょう。
  • 末文:末文では「結びの挨拶」を述べ、改行して「結語(敬具)」を書きます。
  • 後付け:「日付」「差出人」「宛名」を明記します。日付は文頭から2字下げて、和暦で発送年月日を明記しましょう。宛名には、敬称(様)も忘れず書きます。

退職祝いの手紙の文例

退職祝いの文例をご紹介します。退職祝いの手紙を送る人との関係性に合う文例をご覧ください。

定年退職の文例

上司・先輩へ

部長 〇〇〇〇様
 このたびは、つつがなく定年を迎えられ、誠におめでとうございます。長年のご活躍に、改めて敬意を表します。
 これまで、仕事のみならず人生についても、たくさんのことをご指導くださいました〇〇部長には、感謝の気持ちでいっぱいでございます。公私にわたりご指導ご鞭撻いただき、改めて御礼申し上げます。多くの学びを胸に、誠心誠意、努力して参る所存です。
 これから先、〇〇部長にいつ見に来ていただいても恥ずかしくないように、職場を維持し、業務に邁進して参りますので、ご安心ください。
 〇〇部長は、退職後、ボランティアに取り組まれるとお聞きしました。奥様とともに、どうぞお体を大切にしつつ、次の人生を歩んで行かれますよう、お願い申し上げます。〇〇部長のますますのご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
 部長、長い間、本当にありがとうございました。

退職祝いでは、毎日職場で顔を合わしていた機会が減ることに対する喪失感や寂しさを伝えることもポイントとなりますが、それだけに終始せず、前向きな姿勢をもっていることも示しましょう。

親しい友人へ

拝啓 涼しい日が続いていますが、ご健勝のことと思います。こちらも相変わらずです。
 いよいよ定年退職のときを迎えましたね。まずはおめでとう。そして、お疲れ様でした。
 日々勢いをなくしていく小生とは違い、貴兄は勢いますます盛んというところでしょうから、ずいぶんと惜しまれての退職だったのではないでしょうか。
 今後は、存分にご夫婦の時間を楽しまれ、一層、幸福に満ちた毎日を送られることをお祈りしています(1)。
 ささやかながら、お祝いのしるしに温泉の旅行券を同封しました。ご夫婦で温泉につかって長年の疲れを癒してくださいね。
 まずは、無事定年退職のお祝いまで。奥方によろしく伝えてください。お元気で。
                                          敬具

文例中の下線部(1)の書き換え例は「今後は趣味に没頭する(地元に貢献する)とのこと。無為徒食の小生とは違い、老いはまだまだですね」となど、本人の退職後の過ごし方に合った文章を書くとよいでしょう。

寿退職の文例

上司・先輩へ

 〇〇さん ご結婚おめでとうございます。心待ちにしていたお二人の門出、私の胸も喜びに満ち溢れています。
 また、このたびは長年のご勤務、本当にお疲れ様でした。ご功労に敬意を表し、改めて御礼を申し上げます。
 〇〇さんは営業部になくてはならない大きな存在であり、大切なよりどころを失ってしまったような、心細い気分のほうが強いというのが、正直なところです。
 上長が不在で分からないことがあるときには、〇〇さんが相談に乗ってくださったり、指示をいただけたことで、仕事を滞りなく進めることができていました。ご心配をおかけすることも多かったと思いますが、今後は、〇〇さんに代わって、わたしが部下や後輩に仕事を教える、縁の下の力持ちになれるよう頑張ります。いつも温かくご指導いただき、ありがとうございました。
 これからは素敵な笑顔で、新しい家庭を楽しくお過ごしください。またいつか新居にもお伺いさせてくださいね。

お世話になったエピソードを盛り込み、前向きな姿勢と先方への祝意や期待感を述べることが大切です。

親しい友人・同僚・後輩へ

 〇〇さん、ご結婚おめでとうございます。お知らせを受け、まるで自分のことのように晴れがましい気持ちでいっぱいです。
 〇〇さんは周囲への気配りができ、上司からの信頼も厚く、かけがえのない存在でした。退職されることは本当に寂しく、残念ですが、これからも持ち前の笑顔と優しさで、温かく幸せに満ちたご家庭を築いてください。
 〇〇さんと一緒に仕事をすることができて幸せでした。〇年間、本当にありがとう。

退職者の仕事ぶりや、周囲からの評価も織り交ぜ、感謝の気持ちを伝えましょう。

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