「お足元の悪い中」は失礼?意味や使い方|「ご足労」に言い換えたメール例文つき

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
「お足元の悪い中」は失礼?意味や使い方|「ご足労」に言い換えたメール例文つき

ビジネスシーンでは相手を労う言葉に「本日はお足元の悪い中、お越しいただきありがとうございます」と足を運んでくれたお客様に対して謝意を伝える表現があります。百貨店やイベント会場で耳にすることがありますよね。

しかし、この「足元の悪い中」という言葉は、差別的な表現だと言われているのはご存知でしょうか。

敬意を払うつもりで伝えた言葉が、相手を不快な思いにさせてしまっては逆効果です。

ここでは「お足元の悪い中」の意味と正しい使い方、そしてビジネスシーンで使う場合の例文について詳しく解説します。相手に失礼な印象を与えないよう、どのような言い換え方があるかについても紹介するので参考にしてくださいね。

「お足元の悪い中」は失礼な表現?意味・使い方をチェックしよう

「お足元が悪い中」の「足元」には「地面に足がついている所」という意味があります。

つまり、「足元が悪い」というのは、雨や雪が降って地面がぬかるんでいたり、歩きづらい様子を表しています。

そのため、挨拶言葉で使われる「お足元の悪い中」は、悪天候にもかかわらず足を運んでくれたお客様に、その来訪をねぎらい、感謝する気持ちを込めた言葉なのです。

【例文】

  • 本日はお足元の悪い中ご来社いただきまして、誠に恐れ入ります。
  • この度はお足元の悪い中、遠方からご参加いただき、誠にありがとうございます。
  • お足元の悪い中、お運びいただきまして、大変恐れ入ります。

※「お運びいただきまして」に違和感を覚えた方もいるのではないでしょうか。元の形は「足を運ぶ」ですが、冒頭の「お足元の悪い中」で「足」という言葉が出てきているため、重複を避けて「お運びいただきまして」と伝えるのが基本です。

「お足元が悪い中」という言葉は「足の悪さ」を連想させることから、足を悪くしている方に配慮して、使わない方が良いという意見もあります。

しかし、「お足元の悪い中」の「足元」は、足そのものを意味しているのではなく、地面の状態を表す言葉のため、「お足元が悪い中」は差別用語ではありません。

ただし、誤解を与えないためにも「お足元の悪い中」は避けて、別の表現に言い換えるほうが良いでしょう。

「お足元にご注意ください」「お足元が滑りやすい中」とは

段差や階段の上り下りをする場面で「お足元にご注意ください」という言葉を見聞きすることがあります。

この場合も同様に、「足元」は地面の状態のことを表しています。「お足元にご注意ください」「お足元が滑りやすい中」は、雨や雪で滑りやすくなっているときに転倒しないよう注意を促す表現として使われます。

「お足元の悪い中」の言い換え・類語

「お足元が悪い中」の言い換え表現は下記のとおりです。

【悪天候のとき】

  • 本日はあいにくの雨の中をお越しいただき、ありがとうございます。
  • この度はあいにくの空模様のなか、お越しくださりありがとうございます。
  • 雨天のなか、ご来場いただき深くお礼申し上げます。
  • 雨風が強い中、お越しいただきまして、誠にありがとうございます。
  • このような悪天候の中、足をお運びいただきまして、誠にありがとうございます。

【季節の挨拶(夏・冬)】

  • 本日はお熱い中、遠方よりお越しくださり誠にありがとうございます。
  • 本日はお寒い中、ご来場くださり深くお礼申し上げます。

なお、相手に手間をとらせ、わざわざ来てくれたことに感謝の意を示すときは「ご足労」という言葉を使います。ビジネスシーンで取引先の担当者が来社してくれたときや、来訪してくれたときに、感謝を伝える挨拶の定型句として使える便利な表現です。

来社後、先方にお礼メールを送るときのビジネスメールの例文を紹介します。

「ご足労」を使った来社のお礼メールの文例

件名:ご来社のお礼

株式会社〇〇〇〇
営業部 主任 〇〇 〇〇 様

平素より大変お世話になっております。

本日はご多用にもかかわらず
ご足労いただき、誠にありがとうございます。

打ち合わせの場では貴重なお話を伺うことができ、
今後の参考になりました。
心よりお礼申し上げます。

〇〇様のご提案を社内で慎重に検討し、
〇月〇日(〇)迄にはご回答申し上げます。

まずはご来社のお礼を申し上げます。

====================
署名
====================

悪天候のときは「本日はお足元の悪い中、ご足労いただき誠にありがとうございます」という言い回しを使っても良いでしょう。

なお、取引先が来訪した後に送る、その他のメールの例文を確認したい方は「来社・来訪後に送るお礼メールの文例集」をご覧ください。

まとめ

「お足元の悪い中」は、天気が悪い時にわざわざ来ていただいた相手の労をねぎらう、とても気の利いた言葉です。

しかし、「足元が悪い」が「足が悪い」という意味を連想させるため、差別用語であると考える人もいます。相手に不快な思いをさせないよう、言葉を言い換えたほうが誤解を避けることができるのでおすすめです。

また、さいごにご紹介した「御足労」は、悪天候以外の幅広いシチュエーションに応用が利くフレーズなので、適宜こうした言葉を盛り込むよう意識するとよいでしょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket