「構いません」は失礼!言い換えた「差し支えありません」は?ビジネス敬語の使い方・メール例文つき

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
「構いません」は失礼!言い換えた「差し支えありません」は?ビジネス敬語の使い方・メール例文つき

「何時にお越しいただいても構いません」

ビジネスで目上の人や上司に「大丈夫ですよ」と伝えたいとき、敬語を意識して「構いません」と伝える人も多いと思います。

ですが、「構いません」をビジネスシーンで使うときは注意しなくてはなりません。丁寧な言い回しのつもりで使った言葉が失礼に当たる表現になっていたとしたら、受け取る側は不快な思いをするだけでなく、「常識がない人」「仕事を任せられない人」などとあなたの評価を下げてしまうかもしれません。

ここでは「構いません」や「差し支えありません」が失礼に当たる表現かどうかについてお伝えします。ビジネスでの言い換え表現や正しい敬語の使い方についてもお伝えするので参考にしてくださいね。

「構いません」の意味・使い方

「構いません」は「差し支えありません」「気にしません」という意味です。

そもそも「構う」には「気にする、気を使う」「差し支えが生じる」という意味があり、その「構う」に打消しの語を伴った否定表現が「構いません」です。

否定形の「構いません」は「気にしない」「差し支えない」「それでいい」という許容の意味で使われます。

【例文】

  • 〇〇様のご都合の良い時間で構いませんので、日時をご指定ください。
  • 電話が繋がらないときはメールでも構いませんので、お返事ください。
  • 費用が多少かかっても構いませんので、今月中に修理をお願いします。
  • 準備ができた人は先に進めてもらっても構いません。
  • 店内が混雑しているようでしたら相席でも構いません。
  • 私服でお越しいただいても構いません。

「構いません」は失礼な表現?

「構いません」は「~してもよい」「~でもよい」と相手に対して許可を与える、許容するという意味があることを伝えましたが、そもそも「許可」というのは、立案や計画の意思決定をする側が、それに従う側に対して与えるもの。

たとえば新入社員が上司に向かって「その計画で構いません」などと言うと、上から目線の傲慢で横柄な印象を与えてしまいます。

また、「構いません」は「どちらでもいい」というニュアンスを含むため、ビジネス敬語で目上の人や上司に使うのは失礼です。相手が同等か、目下の人に使うときは差し支えありませんので、相手によってしっかり使い分けすることを心がけましょう。

「構いません」を丁寧に伝える「差し支えありません」の意味・使い方

よく似た表現に「差し支えありません」という伝え方があります。

「差し支え」とは「都合の悪い事情や障害、問題」を指す言葉です。「差し支えありません」はその否定形のため、「支障がありません」「都合が悪くありません」という意味です。つまり、「それで大丈夫ですよ」「いいですよ」という意味を伝える表現です。

「差し支えありません」には「構いません」のように、相手に許可を与えるニュアンスはありません。そのため、目上の人やお客様に対しても使える表現です。

【例文】

  • 明日のお約束でも差し支えありません。
  • 書類のご提出は来週でも差し支えありません。
  • プロジェクトの方向性については差し支えありません。

「構いません」の類義語・言い換え

「差し支えありません」以外の「構いません」の類義語には、下記の表現があります。

  • 支障ありません
  • 問題ありません

「差し支えありません」と同じ意味合いですが、「差し支え」にくらべて「支障・問題」がストレートな言い回しである分、少し丁寧さに欠ける表現となります。「支障ございません」「問題ございません」のように「ありません」を丁寧にすると、より柔らかい表現になります。

  • 結構です

「お時間のある時で結構ですので」「この書式で結構ですので」と文中で使う場合は問題ないのですが、語尾を「結構です」と言い切る形で使用すると、「構いません」同様、相手を認めたり、許可を与えたりするニュアンスが出てきますので、目上の人やお客様に対しては避けた方が良いでしょう。

  • 大丈夫です

「補強すれば大丈夫です」「足の具合はすっかり大丈夫です」というように、文脈の中で「大丈夫」という言葉に具体的意味がある場合は、目上の人に対しても使える表現ですが、同意のためにだけこの言葉を使うと、雑な印象を相手に与えかねないため、注意が必要です。

「構いません」を言い換えたビジネスメールの例文集

つづいては「構いません」を状況に応じて言い換えたときのビジネスメールの例文を紹介します。

「していただいて構いません」を言い換えたメールの例文

相手から日程変更の依頼があったときの返信メールの文例は下記の通りです。

件名:Re:日時変更のお願い

株式会社〇〇〇〇
代表取締役 〇〇 〇〇 様

お世話になっております。

お忙しいなか、ご連絡いただき
ありがとうございます。

お打ち合わせ日程変更の件、
承知いたしました。

わたくしはご希望の〇月〇日〇時の日程で差し支えありません。

またご都合が悪くなりそうでしたら、
ご遠慮なくお申し付けください。

引き続きよろしくお願い申し上げます。

====================
署名
====================

上司に「構いません」を正しく言い換えて送るときのメールの例文

上司から打ち合わせの時間変更をお願いされたときは、下記の例文を参考にしてください。

件名:Re:打ち合わせの時間変更

〇〇課長

お疲れ様です。

時間変更の件、承知いたしました。

わたしは何時でも空いておりますので、
ご都合の良い時間をお決めくだされば幸いです。

よろしくお願いいたします。

====================
署名
====================

「何時でも構いません」「ご連絡いただければ何時でも差し支えございません」などと言い換えてもよいでしょう。

「構いませんか」を言い換えた社内メールの例文

件名:企画書に関するご相談

〇〇部長

お疲れ様です。営業部の△△です。

来週〇日(〇)が提出期日の企画書に関するご相談があり、
ご連絡いたしました。

提出方法は書類とお話をいただいておりましたが、
急遽出張の予定が入ったのでデータファイルを
メールでお送りしても宜しいでしょうか。

よろしくお願いいたします。

====================
署名
====================

さいごに

ここでは「構いません」の意味や使い方、丁寧な言い換え表現である「差し支えありません」に焦点を当てて解説しました。

相手の考えに賛同したり、承諾したりする場面は、ビジネスシーンでも数多くあります。日常では「それで構いませんよ」と言っても失礼にあたらないことも多いのですが、上司や目上の方に使うビジネス敬語では不適切となる場面もあるため、ここで使い方を正しく理解しておきましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket